ケアマネから後縦靭帯骨化症の方の住宅改修の依頼があった。
後縦靭帯骨化症の方の住宅改修は少ないが、いままで数件はあった。これも個人差が
あるので、本人に会わないと分からない。さっそく対象者宅を訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築40年、一般住宅。
対象者は後縦靭帯骨化症で、脊柱管狭窄症でもあった。2度の手術後、退院して間もなく、対象者は住宅改修を希望していた。最近も廊下で転倒し、浴室でも転倒した。いまは転倒
対策として室内も外出も車輪付き歩行器を利用している。対象者は独居でヘルパーさんに
家事他をお願いしている。この状態で出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者は玄関の昇降と浴室内の手すりを希望していた。対象者宅にはいろんな家具が
手すり代わりになっていた。テーブルがあり、ソファーの背もたれがあるため工夫して
トイレまで室内移動していた。廊下に関しては歩行器を利用して移動していた。
そんな移動方法あり、玄関の昇降だけが問題になっていた。
そして浴室に手すりを設置することになった。対象者宅の浴室はユニットバスで専用の
手すりで見積もりして施工することになった。見積もりの段階では壁の裏がどのように
なっているか不明なので「出来るであろう」とのことを予想して施工することになった。
しかし、ユニットバスの手すりの取付用の穴を開けることになり、問題が起きた。
ユニットバスの表面材が薄くはぜるように剥がれ始めた。また穴が貫通しても奥行きが
なく留めるための金物が入って行かない隙間だった。表面がメラミン板のような
材料だった。違う場所に3か所穴を開けて3か所とも同じ現象が起きたため、手すりの
設置を中断することにした。ユニットバスは大手メーカーのモノでなく、全く聞いたこと
のない会社だった。作りから仕上げなどいくら調査しても不明なばかりだった。
結論として、壁付けの手すりの設置ができなかった。今まで見たことのない浴室仕様だった。
対象者にそのことを伝え、玄関の昇降のための手すりだけに終わった。