ケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修の依頼があった。
パーキンソン病の方の住宅改修はときどきある。しかし人によって症状が様々で
その方を見ないことには何を対策するかも違ってくる。さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造平屋、築45年、一般住宅。
対象者はパーキンソン病。指の変形などほとんど見られない。外見上は分からない。
数か月前に大腿部のしびれや痛みがあり、入院した。そこで筋力低下も伴い、手すりが
必要になった。パーキンソン独特の小刻みな歩き方、初動の躊躇した歩き方はあった。
歩き方はゆっくりで不安定な状態。対象者は関節の痛みはあるとのこと。しかし激痛は
無いようで、普通に生活はできるとのこと。家族は近くにいなくて、独居だ。
この状態で歩いてもらった。出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
トイレの出入りと立ち上がり、入浴時の立ち上がりや浴槽の出入り、玄関の段差解消、
玄関周辺の昇降、玄関外の数段の階段昇降、門扉周辺の整備などこれらに伴う手すりの
設置が主な内容となった。身長や肩の高さや手の位置等を計測して、手すりの位置や高さを
決めていった。
ここで問題になったのが、門扉周辺の床面の整備だった。
この建物の敷地が道路に接道している部分が狭い間口だけだった。その狭い間口部分の
床が砂利と割れたモルタルと石が置いてあった。これだけだと整備すればいいけど、
その近くに公共升があり、どこまでが境界線か分からない状態だった。
役所へ行き、計画通知を確認する手もあったが、資料がないこともある。
敷地が確定したとしても、いつどうなるか分からないし、注文がつくことがある。
歩行が安定しないパーキンソン病の方には床面が平坦で支障のない状態にすることを
優先した。そこで仮に公道部分があったとしても、すぐに撤去できるような仕上げに
することにした。また役所に相談しても、確定するのも時間が
かかり、仮に整備してもらえたとしても時間がかかる。この状態を考えるといつでも
撤去できるような仕上げにすることが対象者にとってはありがたい話だった。
このことを対象者に説明し、この計画で見積を提出し、施工した。