ケアマネから両膝人工節の方の住宅改修の依頼があった。
両膝人工関節の方の住宅改修は今までになかった。どのような方か対象者に会わないと
分からない。さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築30年、一般住宅。
対象者は10年以上前に両膝の人工膝関節の手術をした。手術後リハビリを続けて
今日まで自宅で生活していた。その間、杖や手すりとかなくても生活ができた。
しかし左ひざだけは関節が曲がりにくいとのこと。上半身は特に問題ないが、年齢とともに
ふらつきがあり、歩くのが不安定になっているようだ。そこで家族が住宅改修を依頼した。
この状態で対象者に動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者と一緒に動いている時に、対象者が触る壁や建具の枠の部分には手あかがあった。
同じような位置で、各所に見られる。手あかの色も濃くなっていた。かなり前から
手すり等が必要なことをうかがわせる現象だった。
玄関周辺、廊下、洗面脱衣室、浴室、トイレの各所に手すりを付けることになった。
浴室で浴槽の出入りには曲がりにくい膝の状態を確認しながら手すりに位置を確認した。
この計画で見積を提出し、施工した。施工内容としてはほとんど問題なく完了した。
この施工中にトラブルが起きた。
浴室の手すりを付ける途中で、ドリルでビス穴を開けている時に給湯管に穴を開けた。
対象者が動きやすい位置に手すりを付けようとした。通常、その位置には給水管等が
あるなどと想像しない位置に給湯管があった。給湯管に穴を開けた瞬間に水が噴き出した。
すぐに元栓を止めて、水道会社に連絡して給湯管の修理を行った。修理中の露出された
給湯管の位置を確認したところ、何度か再修理した形跡があり、ありえないような曲がり方
をした給湯管があった。この給湯管にたまたま当たってしまった。運が悪かった。
この工事以来、各々の住宅では予想される配管の確認は怠らないようにしている。