ケアマネから破傷風で義足の方の住宅改修の依頼があった。
破傷風とは珍しい。今どき日本で破傷風があるのかと思いながら、ネットで症状を検索した。
破傷風は昭和のはじめは致命的な感染症だった。いまでも海外に行く時は、予防接種が
必要なことがある。日本では予防接種やワクチンがあることで感染者は少ない。
さっそく対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築40年、一般住宅。
対象者は若い時に破傷風になり、左足ひざ下を切断した。その時から義足にしている。
長年の義足は問題がなかったが、年齢とともに各種疾患が出てきた。特に破傷風が問題に
なったわけでは無かったが、装具を脱着するのが厄介になった。
まず脳梗塞を2回、発症した。その後、膀胱がんで2回の手術。それらがあり、筋力低下や
意欲もなくなり、歩行が困難になってきた。いままでは簡単にできていた義足の装着も
介助が必要になった。転倒のおそれがあるので手すりを依頼した。
そこで対象者に動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者は以前より意欲はなくなってきたものの、手すりがあると室内移動はしたい。
転倒の危険性さえなくなれば、室内で出来ることをいろいろやりたいとのこと。
まずは、寝室が二階にあるが階段に手すりがない。便所、洗面所、浴室、廊下の手すり、
各敷居の段差の解消が改修の対象になった。
家族の協力もあることで介助もスムーズにできることになった。
この計画で見積を提出し、施工した。 施工後、対象者はゆっくりではあるが、問題なく
室内を移動していた。