ケアマネからてんかんの方の住宅改修の依頼があった。
どのような動作が予想されるかをあらかじめネットで検索してみた。
あまりにも複雑すぎてよく分からない。そう思いながら、さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築45年、一般住宅。
対象者は先天性の原因によるてんかんらしい。今では年齢とともに筋力が弱り、指が拘縮、
歩行が不安定になり、室内で転倒もよくある。室内を移動するのも億劫になっている。
転倒をおそれ、雨戸も開けない、洗濯物を干すのも取り込むのも難しくなっている。
それでも多少動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者はトイレの環境整備と勝手口からの出入を何とかしたとの訴えだった。
まず、現状のトイレは段差のある和式便器の上にプラスチック製の腰掛便座を置いていた。
この便器を使用している時、手すりもなく立ち上がりが不安定なため便座が動いて、
使いづらいようだった。手すりがあるとまだ何とか立ち上がりができそうな感じがした。
しかし、プラスチック製の便座もカタカタ動いていた。そこで便所改修の提案をした。
全体を洋便器に改修する案、プラスチック便器を陶器製に替える案を説明した。
対象者は経済的な理由があり、陶器製便器をすえる見積を要望した。それと同時に
手すりの設置が必要なことも説明した。
また、対象者は勝手口の近くの屋外に洗濯機を置いていた。それを利用して洗濯も
したいようだけど、扉の開き勝手や扉の硬さもあり、洗濯もあきらめていた。
現状は扉を開けて、いったん閉めてから洗濯機の近くに行くような動線になっていた。
コンセントと排水口の移動で済む状態でなく、扉の吊元変更をすることで動線が単純に
なる。扉を開けてすぐに洗濯機の前に行けるようになった。扉はノブと蝶番の交換も行った。
それと周辺に手すりが必要なことも説明した。
この計画で見積を提出し、施工した。
陶器製便器を据え変える案は見送ることになった。