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老人性うつと住宅改修

ケアマネから老人性うつの方の住宅改修の依頼があった。

 

家に引きこもりがちのうつの方の改修依頼だった。たまにある依頼内容だ。

 

さっそく対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築50年、一般住宅。

 

 

 

対象者は老人性うつで、人との接触を嫌う方だった。今回訪問した時も家族が話しかけて

 

協力を促しても表に出てくることはなかった。そこで家族からの話をもとに進めて行った。

 

対象者はこの他に両ひざの痛みもあり、家具や壁をたよりにしながらつたい歩きしている。

 

外階段では両手で手すりをつかまりながら横歩きしている。最近では立位が不安手になり、

 

ふらついていることがよくあるようだ。また立ち上がりも難しくなっている。

 

一日の生活動作は寝室から出てトイレと食事だけに限られている。以前にデイサービスを

 

利用したが、家族の顔が見えなくなると不穏になるらしく、泣きだすことが多くなり、

 

利用しなくなって自室にいる生活を続けるようになった。

 

そこで家族が最低限の日常生活動作でも転倒がないようにとの思いで手すりを要望した。

 

 

 

廊下、浴室、トイレに手すりを計画した。浴室とトイレは普通に設置できる。しかし、

 

廊下の壁は昔ながらの作りで塗り壁だった。壁の内部の下地木材を探した。しかしどこを

 

探してもここだと思えるような下地材は見つからなかった。いろんなところに穴が開き

 

補修材では間に合わないくらいの穴になってしまった。かなり昔の作りで壁全面を

 

竹小舞で作っている場合、手すりを付けるには別な方法で下地を作らなくてはならない。

 

けっこう高いモノになってしまうこともある。しかし、最近では金具が増えるものの床で

 

支える手すりを提案している。建物とうつの方との関係は全くないが、家の作りによっては

 

各種検討しなくてはならないことがある。

 

この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

今回は廊下だったため簡単な方法で済んだけど、これが階段の場合、簡単には施工できない。