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認知症と階段と住宅改修

ケアマネから認知症の方の住宅改修の依頼があった。

 

認知症の方の住宅改修はよくある。しかし認知症と言っても人それぞれだ。

 

さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築30年、一般住宅。

 

 

 

対象者はアルツハイマー型認知症だった。認知症が進んだとのことで自宅にいることが

 

多くなって、寝ていることが多くなりほとんど外出していないとのこと。

 

歩くのは可能だが、ふらつきがあり介助が必要らしい。外出時はほとんど家族が見守りで

 

付いて行っているようだ。排せつの失敗や入浴拒否がある。訪問時は動いてもらえず、

 

家族から話を聞くこととなった。出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

週に数回の通院に使うための外階段用手すりを希望していた。

 

対象者宅は公道から少し高いところにあり、階段が長い。しかも、山を自然に上がって

 

いくような感じの道になっていた。手すりの長さは約15m。

 

メーカー品の手すりの場合、自然の道なりになった形状の場所に合う手すりは少ない。

 

よく使用する手すりメーカーの手すり棒だと、カクカク曲がった形状になり、違和感のある

 

感じになる。今回の対象者宅の外手すりは、あるメーカーのものだと合致する。

 

手すり棒を特殊工具で少しずつ曲げていって、道なりに設置できる。しかし難点もある。

 

湿気の多い場所では手すりの表面がすぐに苔のようなものが付着して変色する。日々の

 

メンテナンスが必要になる。日々のメンテナンスや変色を気にする方には勧められない。

 

直線の手すりの場合はザビが出にくいこと、変色が少ないこと、日々のメンテナンスが

 

ほとんどいらないモノを勧めている。実際10年以上経っても少しの変色がある程度だ。

 

これらの事を対象者家族に説明した。家族は考えた末に道なりに曲げられる手すりにした。

 

この計画で見積を提出し、施工した。