ケアマネから大腿骨頸部骨折の方の住宅改修の依頼があった。
よくある改修依頼内容だ。退院後は動作に個人差があることや住宅事情により改修内容が
大幅に変わることもある。さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築35年、一般住宅。
対象者は転倒により右大腿骨頸部骨折と右肩複雑骨折した。今は入院中でリハビリ
訓練中であり、住宅改修が終わり次第、退院帰宅との事だった。
対象者の動作確認はできなかった。入院中の病院のPTとやり取りすることを家族の承認を
得て連絡先を聞いた。実測後、図面をもとにPTと協議することになった。
初回訪問時は、住宅を細かく実測した。この段階でトイレが広いのはよいが、手すりの
設置のパターンが各種出てくるタイプの作りだった。
図面をおこし、PTと動作確認をした。足を曲げられる角度制限や足の動き、肩や腕の
動きの確認をした。足の可動制限があるだけで腕に関しては何もなかった。
対象者の要望は玄関周辺の手すり、廊下の手すり、浴室の手すり、トイレの手すりを
希望していた。
問題のトイレは少し広い作りになっていた。一般的に木造住宅の場合、トイレに横幅は
柱の芯々間で910mmである。しかし対象者宅は柱の芯々間で1365mmになって
いた。この状態で便器の位置がどこにあるかで問題になる。対象者のトイレでは便器を
中央に置いていた。中央に置いた場合、小柄な方、肩などに不具合のある場合、壁付けの
手すりは手が届かないことが多い。その時は便器の周りに据える手すりか、手すりを
工夫して設置するしかない。一般的に便器の位置は910mmを想定して便器を壁側に
設置するのがいい。そうすることによって介助スペースもできる。
今回は肩を骨折していることを考慮したことと対象者が掃除を気にしていたため、
手すりを工夫して設置することになった。
この他、玄関は踏台と置き式手すりを設置した。浴室の入浴は浴槽をまたぐときに足を
大きく曲げることのないような手すりの位置にして、出入りの前後を考えた手すりとした。
この計画で見積を提出し、施工した。
帰宅後の動作確認をさせてもらい、問題なことを確認できた。