ケアマネから胆管炎の方で玄関出入が不自由な方の住宅改修の依頼があった。
玄関の出入口をどうしていいか分からずに困り果てて連絡してきた。
何がなどうなっているか? さっそく対象者宅を訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築40年、一般住宅。
対象者は胆管炎で入院中。退院までに住宅改修するとのこと。入院中検査したら、下肢の
付け根近くに血栓があった。医者の指示で絶対安静で、今後は歩行が難しいと言われた。
そのために車いすで出入りができる方法はないか、検討してほしいとの事だった。
要望として道路から門扉を経て玄関に入る。このルートを車いすで出入りできるかどうか。
門扉は公道に直接、扉が接するように出来ていた。そこからクランクするように5段階段が
できていた。高さ関係は道路からすぐに30cm位上り、蹴上がバラバラで18cm~
22cmでできていた。道路から玄関とびらまでの高さは約1mあった。
また、玄関以外から出入りできる場所はないか探してみたが、建物が敷地のぎりぎりに
建っていて他の出入口では不可能だった。
この狭い状態でスロープは急勾配になるので検討することはなかった。この時、対象者の
身長体重を聞いた。人力でできないことはなかったが、出入りを予定している人たちでは
無理があるとの事だった。
この他、絶対安静でも、玄関の5段くらいの出入りは手すりを伝い昇降できないか
どうかだった。これは後日、病院に確認した結果、歩くのはやめた方がいいとの事だった。
そうなると機械的な道具で出入りするしかなかった。階段昇降機は短いのとレールを
曲げなくて行けないため、かなり高価なものになる。また、段差昇降機は設置可能だが、
家族が出入りするのにかなり無理が生じることになる。現実的ではなかった。
そこで、車いすごと吊り上げる機器を設置することを検討した。後日メーカーと
話し合った結果、設置が可能とのこと。レンタルも可能で設置のための工事も不要だった。
ケアマネに対象者家族がメーカーに直接連絡するとすぐに来て対応することを伝えた。
その後どうなったかは全く連絡もなかったが、たまたま近くを通ることがあり、対象者宅を
見たところ手すりだけが付いていた。こちらもあっけにとられた。別件でケアマネに会い、
話を聞いたところケアマネが変わり、すぐに手すりが付いたらしい。
対象者にとって手すりで間に合ったのであればよかったが、どうだったのだろうか?
事業者によってはグループで住宅改修部門を抱えている会社もある。何とも疑問が残った。