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パーキンソン病とラクナ梗塞と住宅改修

ケアマネからパーキンソン病の方と言うことで住宅改修の依頼があった。

 

パーキンソン病の方を対象にする住宅改修はたまにある。今回どのような方かさっそく

 

対象者宅を訪問した。既存住宅地、鉄筋コンクリート造、築30年、集合住宅。

 

 

 

対象者はパーキンソン病で歩行が不安定である。足の上りも悪く、手の動きも痛さがあり、

 

薬を使ってよくなるものの、副作用があり薬をやめたりしている。このような状態で

 

動くのもおっくうになり、日中は一か所にじっとしていることが多い。指の変形は軽い。

 

トイレは立ち上がりがうまく出来ず、ドアノブに紐を付けて痛いながらも引っ張っている。

 

この状態で動いてもらい出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

入浴で温まりたい希望があった。少しでも痛さを忘れるとのこと。浴室は集合住宅の古い

 

タイプの作りだった。まず浴室敷居面は洗面所床面から11cmあった。浴槽は洗い場の

 

床面から浴槽のふちまで54cmあった。そこから浴槽内まで48cm下がっていた。

 

要望として浴室の改修は望んでいなく、いまある浴室で改修がどのようになるか、改修が

 

できるかどうかを検討してほしい。痛さの度合いが本人でないと分からないが、検討した。

 

浴室洗い場の床面にスノコを置き、浴槽内に踏台を置くことになった。洗い場の床面に

 

スノコを敷くことで敷居をまたぐことがなく、敷居と同じ床面になる。浴槽のふちは

 

40cmちょっとになった。イスよりちょっと高い。また浴槽内の踏台でゆっくり

 

降りられるようになった。この一連の動きを補助するように手すりを付けることにした。

 

この他、ドアノブにひもをくくり付けていたトイレは手すりで様子を見ることにした。

 

また、玄関周辺にも手すりを付けることにした。この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

浴室等の施工が終わり数週間して、この対象者の家族から手すりの相談があった。

 

パーキンソン病の方を見ていた家族がラクナ梗塞になってしまい、室内を動くのに

 

手すりが必要になった。玄関とびらの内側、廊下など各所に手すりを設置した。

 

また、この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

この時に入浴の状態はどうかたずねたところ、スノコや手すりを付けたら以前より、かなり

 

入りやすくなった。しかしもっと痛さの軽減は無理ですかと聞かれた。浴室の全面改修なら

 

いまよりはもっと楽になることを説明した。しかし予算との兼ね合いであきらめた。

 

また、トイレは手すりで十分だったようだ。