ケアマネから認知症の方の住宅改修の依頼があった。
認知症の方を住宅改修の対象にするのはよくある。しかし、どんな方か個人差があるので
対象者をみないと分からない。さっそく対象者宅を訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築20年、一般住宅。
対象者は認知症で判断力は低下していた。また、筋力低下もあり歩行が不安定なため、
室内で転倒を何度も繰り返している。外出中に動けなくなり緊急搬送されたことが
数回あった。日常生活動作は介助が必要な状態。家族の理解はあるが、あまりにも介助の
回数が増えてしまい、家族が腰痛になってしまった。
この状態で出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
手すりは玄関前の外階段にあるだけで室内には全くなかった。
手すりは外階段に両側付けることになった。また玄関の上り框周辺、廊下、トイレ、浴室と
寝室が2階にあるため室内階段にも手すりを付けることになった。
この計画で見積を提出し、施工した。
施工が終わりすぐに対象者の家族から相談があった。2階への昇降は手すりを持ちながら
出来ないことはないが、腰痛があるため大変との事だった。対象者と一緒に昇降すると
一緒に倒れるのではないと気になっているようだった。
そこで、エレベーターや階段昇降機がある。メリットデメリットを含めて説明した。
エレベーターは敷地内に機械を置くだけのスペースがあるかが問題になる。対象者宅は
エレベーターの設置も可能だった。階段昇降機の設置も可能な住宅だった。
対象者の家族は階段昇降機を選んだ。階段昇降機設置後は階段の昇降が精神的に楽に
なったことを何度も話していた。