ケアマネから大腿骨頸部骨折の方の住宅改修の依頼があった。
たまにある依頼内容、骨粗しょう症の方が多かったりするが今回はどのような方か
さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築20年、一般住宅。
対象者は退院してすぐだった。大腿骨頸部骨折で人口骨頭にしてようやく退院してきた。
動くのがつらいようでソファーに座ったままだった。股関節可動域は90度までの
制限がある。対象者の転倒の原因は脊髄小脳変性症が少しずつ進行していて、ふらつきで
転倒したりしていた。骨折に至ったのは今回が初めてだった。リハビリ中に病院内では
歩行器で移動し、トイレや入浴は介助が必要な状態だった。退院前は数歩の杖歩行が
出来ていた。訪問時は動いてもらえなかった。そこで家族に説明してもらい、
出来ること出来ないことを確認、対象者に話しかけながら要望を聞いた。
洗面脱衣所周辺の敷居が2cm位高くなっていた。対象者は室内で歩行器も使う予定が
あることや足がすり足状態になっていて、この段差の対策が必要だった。廊下と洗面所、
廊下と便所、洗面所と浴室、これらの段差を埋めることを提案したところ、床が傷んでいる
ために張り替えたいとの申し出があった。これらの段差はほとんど解消することになった。
このほか廊下、トイレ、浴室などに手すりを設置した。浴室は股関節の稼働制限があるため
手すりと福祉用具を合わせた入浴方法を提案した。
また、対象者本人の希望で階段にも手すりを付けることになった。いまの対象者の
状態では階段を上るのはかなり無理があった。しかし、上れるくらいに筋力が回復したら、
いつでも上りたいとの事だった。
この計画で見積を提出し、施工した。
この数か月後、対象者は玄関から出るための手すり設置を希望してきた。
階段も少しずつではあるが上がれるようになった。介助は必要だけど少しずつでも
自分のことができるようになった。