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恥骨骨折と住宅改修

ケアマネから恥骨骨折の方の住宅改修の依頼があった。

 

最初に聞いた時はこの骨折で住宅改修が必要なのか?と思った次第だった。そんなことを

 

考えても仕方ないので、さっそく対象者宅訪問した。

 

新興住宅地、木造2階建て、築20年、一般住宅。

 

 

 

対象者は数か月前に自宅で意識不明となり、救急搬送された。脳梗塞をおこしていたらしい。

 

右マヒになり、失語症がある。リハビリ専門病院で歩行訓練し、軽介助で歩行していた。

 

帰宅し、次の日に転倒して恥骨骨折をしたようだ。これで再度入院した。

 

また、しばらくリハビリして退院することになった。そこで、退院に合わせてPT

 

家屋改修案を作成した。改修案は福祉用具も含む全体的な内容が写真入りで出来ていた。

 

その提案書を家族に渡し、改修することになった。

 

訪問時の対象者は装具を装着し介助なしで歩いていた。PTの助言では室内は軽介助にて

 

歩行。屋外は車いすを使用して全介助で移動することとなっていた。トイレや入浴は

 

軽介助で可能だった。

 

この状態で出来ること出来ないことを確認、要望を聞いた。

 

 

 

玄関外階段、玄関ポーチ、玄関周辺、廊下、浴室、トイレに手すりを設置。トイレは敷居の

 

撤去を行うことになった。身体的特徴に合わせた一般的な改修になった。

 

この計画で見積を提出し、施工することになった。

 

 

 

このほか、家族からの提案で対象者を車いすごと外へ出せないかとの相談があった。

 

対象者の寝室の掃き出し窓の近くに駐車場があり、そこから外出することは十分できる

 

距離と環境がそろっていた。そこで細かく計画して図面をおこした。埋設水道管が

 

あることが予想されたが、その計画で見積し、対象者家族には見積金額だけを提示した。

 

計画図は渡さなかった。その理由は家族が計画図だけがほしいようだった。

 

この計画図は経験に基づいた蓄積のもとに出来たもので、基本的に無料ではない。

 

それなりの対価を払ってもらうのが通常の手続きだ。そのほか、この計画で施工して

 

事故したら、計画が悪かったとなるご時世。いろんな意味で問題があった。

 

数日後、案の定、図面の提示を要求してきた。