ケアマネから認知症の方の住宅改修の依頼があった。
認知症の方の住宅改修はよくある。どのような認知症かは対象者を見ないと分からない。
さっそく対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。
対象者は認知症で短期記憶障害や意思伝達に障害がある。以前に脳梗塞をおこし、後遺症を
残したままなのですり足状態。 脳幹部血管腫などがあり、日常生活には介助が必要に
なっていた。室内の移動は不安定ながらも自力で歩いている。疾患で入退院もあり、
筋力低下もあるために日常生活動作には手すりなりのつかまるモノが必要な状態だ。
特に徘徊とかはなく、室内を動くことはある。家族は介護に協力的だ。
これで対象者に動いてもらった。出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
玄関での靴の脱着のための動作、廊下の移動、トイレでの出入りや回転や立ち上がり、
トイレ敷居の撤去、洗面脱衣室、浴室に手すりが必要になった。
特に浴室では入浴時に壁付けの手すりが使えないような状態になっていた。壁から浴槽が離れていることや浴槽内部に傾斜があるためさらに手すりが付けにくくなっていた。
この状態をいかに解消するかが問題になった。
手すりを付けるにあたり、特殊な手すり設置を提案した。健常者の家族には不評になるが、手すりを必要としている人には有効である方法を説明した。
家族は本人のためにということですぐに納得して付けることになった。
この計画で見積を提出し、施工した。
手すり設置後、対象者は入浴時には特に何を言うこともなく自分から進んで問題なく
浴槽に入っていることを聞いた。以前とは全然違って安心してみていると家族の話だった。
この手すりを付けることで
ふたの開け閉めをめんどくさがる人もいる