ケアマネからレビー小体型認知症の方の住宅改修の依頼があった。
認知症の方を対象にすることはあるが、このレビー小体型あまりない。どのような方か、
認知機能、幻視、パーキンソンのどの現象が出ている方なのだろうか?さっそく対象者宅を
訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築10年、一般住宅。
対象者はレビー小体型認知症でパーキンソン症状が顕著に現れている。最初の一歩が
出にくい状態で小刻みでちょこちょこ歩く。日常生活は介助がなければ難しい。食事は
自立で出来るが食べこぼしもある。トイレでは服の上げ下ろしに介助が必要。このほか、
幻視もあるらしく床にアリが歩いているのをよく見るらしい。また、浴室に行くのに
洗面所に大きな鏡があり自分の顔を見て他人がいると何度も伝えているようだ。
パーキンソンの独特の歩き方はあるものの室内はつかまるモノがあるとそれなりに少しは
歩くことができる。対象者は体幹機能障害2級となっている。
家族の理解もあり、介助は何とか出来ている環境にある。
対象者に少しだけ動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者宅は起伏のある土地に建っていた。そのため道路から玄関まで約35段の
外階段がある。デイサービスなどを利用するために、この段差を検討しなくてはならない。
また室内には玄関周辺、洗面所、トイレ、浴室に手すりを付けることになった。
外階段は28段の直線と踊り場を挟んでさらに少し曲がって7段ある。両側に柵があるが、
高さが110cmある。柵は10cm間隔で縦だけにある。ここに段差昇降機を据えるには
この敷地の形状では無理がある。仮に据えたとしてもかなりの工事金額になる。また、
階段昇降機もある。このほかは手すりでどうにかする。これらの方法を対象者の家族に
説明した。家族は今のところ手すりで十分との事だった。しかし手すりを付けるにしても
手すりの縦柵にどのように固定していくか?また、材料探しがどうなるか時間がほしいと
説明した。室内の手すりは問題なく、対象者の体形や動きに合わせて設置することになった。
また、洗面所の鏡をどのように見えないようにするかの相談もあった。ロールカーテンが
手っ取り早い。しかし、自宅にある布や紙を工夫して取り付けることも説明した。家族は
布で工夫してみることに納得した。
この計画で見積を提出し、施工した。
縦柵を丸いプレートで挟み
ボルトで占めるように固定した