ケアマネからリュウマチの方の住宅改修の依頼があった。
人によって程度の差があるので何とも言えない。手すりも工夫が必要な方なのか
それとも関節の変形もなく、少しだけの痛さがある方なのか、さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築25年、一般住宅。
対象者は20年前に慢性関節リュウマチを発症、その10年後に帯状疱疹、その3年後に
脳梗塞をおこし、右の上下肢にマヒが残った。その後にリュウマチも悪化して車いす
生活となった。食事は箸が使えない、トイレ・入浴などは衣類の脱着から全てのことが
介助が必要になった。トイレの移乗や立ち上がりは手すりさえあればできるとのこと。
現在リハビリ訓練中で、電動車いすを利用し、室内を移動している。歩行はほとんどできず、
言葉も詰まることはあるが、ほかの症状はみられないとのこと。
朝から晩までの介助を家族が行っている。負担は大きそうだった。
このような状態で動いていただき、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
今までのリュウマチの方から比べると指などに多少の変形はあるものの、関節の
痛みとかはほとんど訴えていなかった。だからトイレの立ち上がりに負担が少ないのか?
最初に対象者宅を見たときに、長いスロープがあるのをびっくりした。敷地に高低差があり、
どうしても長いスロープが必要になってくる。玄関とびらは引戸で、上り框の段差は
スロープで出来ていた。室内は段差がなく、扉のほとんどが引戸。バリアフリーを意識した
作りになっていた。しかし手すりらしきものは一切ついていない。この住宅を改修したのは2年前のこと。なぜ手すりを付けなかったのか?疑問に思った。リハビリ訓練を行うことに
より、自分でできることは自分でしようという意識が出てきたようだ。
今回はトイレの手すりと脱衣浴室に手すりを付けることになった。これもまた問題が
あった。最近の建材を利用しているがために、木に見える木ではない枠をふんだんに
使っている。この部分には手すりを付けられない。付けたとしても1年後に、手すりが
緩んでくる。ダミーの木枠の中身がビスでじわじわと動かされて緩んでいく。
これを補強するように手すりを付けた。
この計画で見積を提出し、施工した。