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夫婦で介護と住宅改修

ケアマネから夫婦で住宅改修が必要な方の住宅改修の依頼があった。

 

夫婦で生活していて、通院やデイサービスに行く時、公道に出るまでが大変だとのこと。

 

さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造平屋、築40年、一般住宅。

 

 

 

対象者は糖尿病、心不全、前立腺肥大の疾患がある。また、肺気腫のため睡眠時に

 

酸素吸入も行っている室内は伝い歩き、屋外は車いすを押してもらう状態。食事以外で

 

日常生活動作は介助を受けている。

 

もう一人は、数年前に自宅内での転倒がもとで、脊柱と骨盤に損傷を受け、股関節の

 

可動制限がある。また脚長差のため慢性的な腰痛と脚に痛みがあり、外出するのを

 

ためらってしまうこともある。このような状態で二人暮らし。お互いが介護している。

 

住宅内は必要なところに手すりが付いていて、今のところ問題はないとのこと。

 

ここで要望を聞いた。玄関前からスムーズに外出することが希望だった。

 

 

 

住宅は公道から約20m入り込んだところに立っていた。旗竿敷地といわれる敷地形状。

 

玄関前の段差や20mの通路部分にはランダムに敷石がある。コンクリートの升、

 

水道メーター、直径が20cm位の木が3本生えていた。車いすが通るところに仮の板を

 

敷いていた。この通路の状況で苦労しながら車いすを押すのは、大変なことがよく分かる。

 

 

 

この通路をどう整備するかを対象者に説明した。

 

20cmある木を上から伐採しただけでは木が成長して、通路部分が盛り上がってくる。

 

そうなると、コンクリートを敷いてもコンクリートが割れてくる可能性は高い。木を

 

根っこから取り除く必要があった。これをしないと安くはなるがコンクリートは割れる。

 

また通路の仕上げに関しての説明をした。

 

通路面にタイルを張る、モルタル刷毛引き、透水性のあるブロック仕上げ、現状を利用して

 

作り上げていく方法などがあることと、工事費や経年変化による劣化、メンテナンスなどを

 

相対的に説明した。

 

 

 

その結果、現状の敷石を利用して、モルタル刷毛引き仕上げにすることになった。

 

通路幅は90cmにして、刷毛引き部分に赤と白と緑の石を所々に埋め込んでいった。

 

通路の両側には草が生えにくいシートを敷き、その上に砂利仕上げとした。

 

この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

 

 

 

 

元々あった敷石の存在感がある