ケアマネから下肢切断した方の住宅改修の依頼があった。
下肢切断してリハビリ中で退院を前に住宅整備したいとのことだった。
さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築35年、一般住宅。
対象者は下肢切断でなく大腿部から切断手術しているようだった。もともと対象者は
下肢急性動脈閉塞症で入院してすぐに、左下肢切断手術を受けた。それからすぐに感染症で
大腿部から切断再手術したようだった。左大腿部の下部分に補装具を装着していた。
この日は退院前の一時帰宅でPTも同行して、対象者は一緒に動いてもらった。
この状態で歩行器を使用しながら、一時間くらいは歩けるとのこと。しかし、車いすを
右足でこぎながら室内移動を予定している。本人は補装具が煩わしいようで、片足で
ピョンピョン飛び歩きしながら病院内を歩いていたようだ。PTは危ないのでやめるように
何度も注意した。仕方なく、補装具なしで歩行器を使いながらの移動訓練をしたようだ。
PTもいるので、要点を聞き出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者宅は昭和の住宅で、敷居の段差がいたる所にあった。しかし、廊下の段差を
埋めることで対象者宅は車いすの移動がある程度できることが分かった。床は敷居の
高さまでフローリングを張り増しして、各敷居の段差がなくなった。
後はトイレ、洗面脱衣、浴室、居間、寝室、玄関の出入周辺に手すりが必要になった。
一番問題なのが玄関の出入口をどうするか? 幸い対象者宅は段差が小さかった。
玄関の上り框は30cm、玄関外は30cmほどの段差だった。外はコンクリート製の
踏台、室内は木製の踏台を置くことで対象者は移動できるとのことだった。
この計画で見積を提出し、施工した。
工事が完了して、対象者は帰宅した。しかし、それから数日してその時のPTから
連絡があり、手すりの追加をケアマネと協議してくださいとのことだった。
話をよく聞くと、帰宅して次の日に、補装具を付けずにピョンピョンと室内移動して
転倒した。救急車で運ばれて再入院した。そのための追加が必要になった。