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パーキンソン病と住宅改修 (9)

ケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修の依頼があった。

 

パーキンソン病の改修はたまにある。今回どのような方か?と思いながら

 

さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、鉄筋コンクリート造、築40年、集合住宅。

 

 

 

対象者はパーキンソン病を患って十数年、歩行が不安定で室内移動でも歩行器を

 

手放せない歩き方をしている。リュウマチではないらしいが指の変形がリュウマチに

 

似ている。特に親指の変形は指が反るような曲がり方。そのため箸を持つのも難しい。

 

四肢体幹機能障害になっていて、毎週リハビリ訓練をしている。

 

家族の仕事の関係上、独居になることもあるが、幸い家族の理解もあり、介助している。

 

この状態で動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

玄関の出入り口、廊下、台所、トイレ、浴室の各所に手すりを付けることになった。

 

トイレは片開き扉を外して、アコーディオンカーテンにして出入りしやすくした。

 

また寝室の引戸の動きが悪く、滑車やレールを見たところ、滑車が経年劣化していた。

 

経年劣化に至る過程で滑車の溝部分に大量のごみが詰まっていた。そのごみが滑車に

 

絡み合い、滑らなくなり、扉の動きが徐々に悪くなっていった。滑車の交換が必要だった。

 

この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

施工中に気になっていたことがあった。浴室にタイルが貼ってあった場所が部分的に

 

塗装仕上げになっていた。それをあまり理解しないまま、手すりを付けようとした。

 

ドリルで穴をあけている途中、浴室内の水道管に穴を開けてしまった。浴室が水浸しになり、

 

仕事が途中で止ってしまった。塗装仕上げになっていた部分は水道管をやり直した

 

部分だった。しっかり理解すれば、このことは回避できただろう。対象者家族に大変な

 

迷惑をかけてしまった。幸いその日の内に水道管を復旧して難を逃れた。

 

対象者に話を聞いたところ、数年前に室内改修をした。その時に浴室も改修して、水道栓も

 

盛替えたとの事だった。今後はこれらの事は最初のうちに聞くことにした。

 

 

 

壁がグレーになっている部分が

 

水道管のあった部分。

 

まさか・・・・