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馬尾神経障害と住宅改修

ケアマネから馬尾神経障害の方の住宅改修の依頼があった。

 

初めて聞くような部位の障害、ネットで検索してよく見ると脊髄の一番下でと分かり、

 

一般的障害やほかを確認した。しかし本人を見るまでは全く分からないのでさっそく

 

対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築5年、一般住宅。

 

 

 

対象者は馬尾神経障害で入院していて、最近退院したようだ。対象者は下肢の浮腫、

 

臀部の痛み、しびれがあるようだけど立っていることがつらいことがある。

 

手すりがあると伝い歩きができるようだ。あと、心房細動や高血圧もあり、体調が

 

悪いと歩くのがつらくなる時もあるようだ。家族の介助の協力はある。

 

このような状態で動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

建物は新築に近く、床だけは段差のない作りになっている。室内は今のところ

 

手すりがなくても歩けるようだった。トイレも浴室も何とか出来ていた。

 

しかし、外出時に問題があり、今回対象者はそのことが一番の懸念事項になっていた。

 

敷地は公道から1.6m位高い位置にあった。よくあることだが、新興住宅地で敷地に

 

目いっぱい作ってある住宅で玄関から公道に出る前の外階段は健常者には問題は少ないが、

 

障害がある人にとっては昇降が難しい作りになっていた。最初はこの建物を建てた

 

建設会社にお願いしたが、どうしていいかわからずにこちらへ話が回ってきた。

 

階段を見て、出来ることなら対象者には両側に手すりが必要かと思えた。現場を細かく

 

実測したところ、一番狭いところで階段幅が67cmしかなかった。この状態で両側に

 

手すりを付けると階段幅が60cmを切るようなところもあった。対象者宅の

 

家庭環境では生活上支障が出ることが分かった。対象者の家族に両側に付ける場合、

 

片側だけに付ける場合の図面を見てもらい数日検討してもらうことにした。

 

ここの家族の場合、この図面をもとに別業者に発注するような家ではなかった。数日後、

 

家族から電話があり、動きが多少不便なこともあるが片側に付けることになった。

 

 

 

この計画で見積を提出し、施工することになった。

 

施工後、対象者宅を訪問したところ片側手すりでも何とか昇降ができていた。また、

 

対象者は室内の不便さにも目が行くようになった。