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大動脈瘤と手すり金属破断と住宅改修

ケアマネから大動脈瘤で手すりを必要としている方の住宅改修の依頼があった。

 

簡単に考えると、大動脈瘤で入院して筋力低下かな?と考えるのが一般的だろう。

 

しかし人それぞれ、対象者を見ないことには想像の域だけだ。さっそく訪問した。

 

新興住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。

 

 

 

対象者は大動脈瘤で3か月入院することになった。そこで筋力低下があり、

 

日常生活動作訓練をし、帰宅したとのこと。日常的に高血圧もあり、ふらつきもあった。

 

ある日、入浴中に床のマットで滑って転んで手首を骨折した。時々胸が苦しくなり、

 

うずくまってしまうこともあるようだ。その時など立ち上がるための手すりがあればと

 

思うことがあったようだ。これで家族があわてて住宅改修を要望してきた。入院中で、

 

一時帰宅に合わせて対象者宅を訪問した。この状態でゆっくり歩いてもらい、

 

出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

要望は玄関周辺、階段、洗面所、トイレ、浴室に手すりが必要だった。

 

この計画で見積を提出し、施工した。一般的によくある住宅改修だった。

 

 

 

しかし、しばらくして対象者から電話がかかってきた。

 

階段の手すりが外れたとのこと。ほかをさて置いて、その日のうちに対象者宅を再訪問した。

 

さいわい、けがはなかった。すぐに現場を見せてもらい、外れた状況を聞いた。

 

見た目は手すりが外れていなかった。対象者に言われて手すりの金物をよく見ると台座の

 

部分がもぎ取られていた。明らかに金属破断の断面。破断面を見る限り、この部分に外的な

 

何らかの力がかかったことは明らかだった。手すりとその金物周辺に何かがぶつかった

 

痕跡もない。対象者宅で子供のいたずらもない。そこで対象者に手すりを使っている状態を

 

再確認させてもらった。対象者はかなりしっかりと手すりを持ち、階段昇降していた。

 

 

 

原因は手すり金物の間隔がそこの両脇だけ、92cmと95cmになっていた。

 

手すりメーカーの基準では90cm以下にするようになっている。それともう一つは

 

対象者が手すりをしっかり握る方だということをしっかり把握していなかった。

 

その場ですぐに金物を増やして手直し、すぐに使えるようにした。

 

 

 

後日、金物製作メーカーに金属破断の件でどのような状況で破断が起きるか電話した。

 

多くはないけど、年間に数件はあるらしい。亜鉛合金製で型に流して成形するため

 

どうしても数ある中には不良品があり、当然出荷前に分かったら廃棄しているとのこと。