ケアマネから胸腰椎圧迫骨折の方の住宅改修の依頼があった。
また圧迫骨折か? なぜこんなに圧迫骨折の方が続くのか?今回は胸椎腰椎両方だ。
同じ圧迫骨折でも家の作りも違うし、骨折も個人差があるのでまずは訪問することにした。
既存住宅地、木造2階建て、築50年、一般住宅。
対象者は入院中で、住宅改修に合わせて帰宅するとのこと。
ケアマネと家族を交えての話になった。それと病院のPTからの文書による状況説明も
あった。対象者は胸腰椎圧迫骨折で入院中。 この対象者は骨粗しょう症で脊椎の変形が
原因で最初の入院があった。その後、胸腰椎圧迫骨折をおこしたようだ。最初の入院から
帰宅して、自宅内で何度も転倒していた。対象者は若い頃、脳梗塞を発症し、左上下肢に
マヒがある。左上肢はL字に腕曲し、肘手首はこう縮がある。いまは血縁関係者と同居し、
多少の日常家事の介助支援は得られるようだ。多少と言うのは、支援する側も両ひざ関節に
強い痛みがあり、立ち上がりに等の支障のある方が要介護2の方も介助している状態。
建物は昭和によくあった作り。柱がしっかり見えていて、障子やふすまが多い。
玄関の上り框は一段目が35cmと高くなっている。廊下に面する床には段差がある。
トイレは洋式だった。浴室は時代を感じる作りのままだった。
この状態で対象者を想像しながら建物内部を確認して、要望を聞いた。
家族の話で対象者はリハビリとして2階の雨戸の開閉のために階段の両側に手すりが
必要だと要望した。対象者の状態を予想しても階段の昇降は可能なのだろうか? 特に
階段となると転倒を繰り返すのではないだろうか?なぜ1階で生活しないのだろうか?
後でわかったのだが、実はこれは同居の方の要望だった。
この他、玄関の上り框の前に踏台の設置、廊下や浴室やトイレに手すりの設置。
玄関前に段差があり、引戸の開閉のために外用の手すりも設置した。
この計画で見積を提出し、施工した。
住宅改修後、対象者宅に行く機会があり、改修状況を確認した。
特に問題なかった。対象者は1階で生活していた。