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脊柱管狭窄症と住宅改修 (2)

ケアマネから脊柱管狭窄症の方の住宅改修の依頼があった。

 

この症状では腰部脊柱管狭窄症の方のほうが多かった。しかし人によって違うので

 

どのような方か?何が必要か?見ないと分からない。さっそく対象者宅を訪問した。

 

既存住宅地、木造平屋、築70年、一般住宅。

 

 

 

対象者は脊柱管狭窄症で強度の円背があった。疼痛はあるが、ゆっくりと歩くことはできる。

 

自分でできることは自分でしたいとの気持ちがあり、少しずつではあるが動いている状態。

 

トイレも自分でゆっくり歩いていく。最近、緑内障が進み視力低下もあり、転倒しそうに

 

なることもあるようだ。外出は車いすを利用している。

 

少しではあるけど、動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

改修内容は廊下の移動と外出方法の件が主になった。家族は介護に協力的だった。

 

建物は昭和の作りで、ふすまや障子が各所にある。この状態だと手すりを着ける壁は少ない。

 

ここで対象者の日常的な動線を家族と一緒に確認した。日常的に開けないふすまや障子の

 

場所があることが分かった。ふすまや障子は開けられるようにして、そこには手すりを

 

設けることにした。これで手すりを利用して各所に移動できるようになった。

 

 

 

室内から外出方法も問題だった。昭和の作りで玄関は段差が大きかった。

 

段差は30cm位が2段ある。全体で70cm位あった。しかも、玄関引戸の敷居は

 

立派に段差があり、しかも玄関はあまり広くなく、ここを改修するにはけっこう費用が

 

かかりそうだった。そこで、ほかから外出する方法はないか検討した。

 

縁側から庭に出る方法があった。庭から門扉までは容易に移動できることが確認できた。

 

また寝室の隣が縁側で、ここにどのようなスロープを設置するかが問題になった。

 

 

 

コンクリート製の頑丈のスロープ、もしくは金属製や木製の組み立てるスロープ、

 

もしくは簡易スロープを設置する。これらのメリットデメリットを対象者家族に説明した。

 

選択に迷っていたけど、簡易スロープを設置することを提案した。

 

理由としてまず、この庭の雰囲気を壊さない。雨の日に外出しなければいけないのは

 

よほどの特例の時以外はない。家族がスロープの設置を苦にしない。これらの条件が

 

たまたま重なり合って簡易スロープを設置することになった。土の設置面だけを整備して

 

着地地点とした。たまたま着地点が他より高くなっていたのでスロープも緩くなった。

 

この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

簡易スロープを設置。

 

スロープはプラスチック製。10kg弱

 

このスロープ設置も良かった。