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脳梗塞と住宅改修 (7)

ケアマネから脳梗塞の方の住宅改修の依頼があった。よくある脳梗塞。

 

しかしこればかりは個人差があるため、対象者を見ないと何が必要かわからない。

 

敷地環境や住宅内の状況にとっては予想しないような内容の改修になることもある。

 

さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。

 

 

 

対象者は今までに2回の脳梗塞をおこし、入院した。右半身マヒ、懸命のリハビリの甲斐が

 

あり、補装具(短下肢)装着して、杖と手すりなどを利用して何とかゆっくり歩ける

 

状態まで回復した。ゆっくり歩けるものの、不意に膝おれが起き、足折れもある。

 

階段昇降には見守りか介助が必要な場合もある。

 

対象者は回復した折には趣味の教室を再開したり、旅行などしたりしたいとの希望がある。

 

そのため日常生活を安定させたくて住宅改修を強く希望していた。

 

そこで対象者に動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

対象者は2階での生活を希望し、階段に手すりを付けることになった。

 

歩いている状況を見る限り、補装具に違和感があるのか、歩きのバランスが悪い。また

 

補装具を付けて杖だけでうまいこと歩けるならまだいいけど、時々、手すりなりの何かを

 

つかまるモノが必要になるくらいの歩き。また膝折れ足折れ感がある状態での

 

階段昇降は難しいのではないかと思った。しかし対象者は2階へ行くことを強く希望した。

 

最初の提案として1階での生活を提案した。即却下。

 

次の提案は、階段の片方に手すりを付けることを提案して、四つん這いで階段を上がり、

 

階段の踏み面に座りながら下りることを提案した。多少難色を示した。

 

次に提案したのが、階段の両側に手すりを付けることを提案した。これは見守りなどが

 

必要なことを伝えたが、日中は独居状態の家庭環境だった。かなり厳しい状態。

 

階段昇降は十分注意が必要になることを繰り返し伝えた。

 

 

 

この他対象者の住宅は高台にあり、その地形を利用した住宅で室内の各所に小さな階段が

 

あった。その各所に手すりを付けることになった。

 

トイレは便器の前で回転するのに壁の両側に横手すりが必要になった。このほか、

 

洗面脱衣・浴室の要所に手すりを付けることにした。この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

本人の動きたいという意欲があるのは一番だけど、動かせる体になるのは時間が

 

かかりそうだった。

 

 

 

階段の両側に手すりを設置。

 

対象者はゆっくり上っていた。