ケアマネからろうあの方の住宅改修の依頼があった。
あまりないけど、年齢とともにろうあ状態になる方もいる。ろうあの方と住宅改修は
どのようにつながるのだろうか、よく分からないけどさっそく訪問することにした。
既存住宅地、木造2階建て、築10年、一般住宅。
対象者は小さい頃の病気でろうあになった。近年、糖尿病による緑内障をおこし、
片目を失ったようだ。そんな理由もあるのか、歩行中にバランスを崩して転倒することが
あるようだ。最近、転倒して庭先で大腿部骨折をした。このようなことがあり最近では
病状管理のため訪問看護を週に数回受けているとのこと。
対象者との会話は口をしっかり開けてしゃべることでだいたいのことを理解している
らしい。血縁関係の家族数人で暮しているが、家族の協力はなかなか得られない状態。
そこで本人に、動いていただき出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
自分たちは手話ができない為、要望は筆談だった。
玄関ポーチの階段を登り易くしてほしいとの事だった。室内は築10年ということで
段差はほとんどない。浴室はユニットバスで無難な作りとなっている。しかし、玄関先の
段差に関しては地元工務店の作りのためか、段差を意識した玄関とはなっていなかった。
そこで、段差を細かくして最下段を負担のない段差にした。その後、手すりを設置した。
この計画で見積を提出し、施工した。
この玄関ポーチを改修した後、しばらくして扉に関する相談があった。
同居の家族が脳梗塞になり、室内を歩きづらくなった。廊下が少し広めに作ってあるが
扉は片開きがほとんど。脳梗塞で片マヒに近い状態の人には片開き扉はめんどくさい。
脳梗塞のほかに軽いリュウマチも発症していた。これらの事を考慮することになった。
一般的に建物を安く作ろうとしたら、片開きの扉が安くなる傾向にある。この家も同様に。
そこでよく使う寝室と便所の扉を引戸にすることにした。この段階で今回の対象者で
ろうあの方の動線も考えて、手すりの設置と扉や取手の動きも再確認した。
手すりは軽く握ることは問題ないようだ。洗面脱衣室と浴室の段差は10cmだった。
この段差は問題ないか両者に聞き、手すりを設けることで対応できた。
この計画で見積を提出し、施工したb。
この住宅は廊下の幅(柱の芯々幅1365mm)を広くしてあったことが今回、
多少良い方向になったようだった。木造の場合、一般的には91cmが多い。
改修前の階段
これを4段に改修した。