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パーキンソン病と住宅改修 (8)

医療関係者経由でケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修の依頼があった。

 

パーキンソン病患者の住宅改修は時々ある。動きには個人差がある。

 

さっそく対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築5年、一般住宅。

 

 

 

対象者はパーキンソン病の前に、特発性血小板減少性紫斑病も患っていた。後者の病気は

 

難病情報センターの記載に日常生活動作に関する注意事項はなかった。たぶん、ふらつき?

 

対象者の動きはパーキンソン病の独特の動き方。また、前傾姿勢、身体の揺れもある。

 

歩行は不安定だ。この他、背中から腰にかけて痛みがあり、筋肉がこわばることが

 

あるようだ。そんなこともあり、うつ傾向にあるらしい。生活はなんとか自立で、

 

掃除などできることは無理のない範囲で行っているようだ。対象者の家族は協力的な

 

人もいるため、生活は何とか出来ている。

 

それでも、来客があるとゆっくり立ち上がり対応するようだ。さっそく、動いてもらった。

 

出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

対象者宅は新築に近いだけに、室内の床に段差はない。地元ビルダー住宅のため玄関の

 

上り框は25cmもある。玄関ホールから見える曲がった階段、その階段の手すりは

 

カッコいいが、持ちにくい形状の手すりでリュウマチの人を対象にした感じだった。

 

いくら小柄な女性とは言え、玄関外の15段の外階段の手すりの高さが低い。

 

これらをカバーするように住宅改修を進めていった。さいわい家庭用エレベーターが

 

あるため、室内階段を使用することはなかった。玄関周辺、台所周辺、トイレ、

 

エレベーターへ行くための廊下、エレベーターを下りてから寝室への廊下など各所に

 

手すりを付けることになった。

 

この計画で見積を提出し、施工した。対象者はこれで自分なりの動きが多少なりとも

 

よくなった。玄関ホールから見える曲がった階段は階段幅が120cmあった。

 

対象者は手すりをつかまるものの2階の廊下を歩いているとこの階段から落ちるのでは

 

ないかと不安になることがあるようだった。そこで階段を登り切ったところに、脱着式の

 

手すりの柵を設けることにした。

 

今回の対象者も手すり設置は一回だけでなく、何度かに分けて設置することになった。

 

パーキンソン病の方はよくあるが、手すりを持つことの安定感を覚えることで、

 

「ここも必要」、「ここも必要」となる。

 

進め方としてこれがいいのではないだろうか!

 

 

 

脱着式の手すりの柵。