ケアマネからかなり自由に生きている方の住宅改修の依頼があった。
どんな自由な生き方をしているのだろうと思う次第。ケアマネの電話での話だと
周りの話を全く聞かないで自分本位に自宅で生活している方らしい。
そんな方は多くはないけど、どこに出もいそうな気がする。さっそく対象者宅を訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築50年、一般住宅。
対象者は腰部脊柱管狭窄症で治療したが、常に腰の痛みがあるらしい。接骨院に通いながら
生活している。最近吐血もあり、病院で胃がんと診断されて、療養中。
同居の家族は左足首骨折をして、要介護になった。
このような状態で動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
対象者は医者から腰部脊柱管狭窄症の痛みがあるので1階での生活を勧められていた。
しかし、2階での生活を強く希望している。医者が処方した薬は全く飲む気配がないらしい。
なぜ2階かと聞いたところ、同居の家族が足首を骨折していて2階に上がって
来られないから、多少腰が痛くても2階に逃げ込めるとのこと。胃がん診断後、
抗がん剤の副作用で、めまいふらつきがあり医者が注意したにもかかわらず無視して、
薬は全く飲まずに、酒とたばこは続けているようだ。病識もないらしい。この他にも
まだあるらしいが、これをもってケアマネが「自由な人」扱いをしていた。
これは同居の家族の関係なのかどうか? 自宅でこれくらいの自由な生活は
いいのではないかと思わないでもなかった。
要望は階段に手すり、浴室便所に手すり、通路玄関などに手すりが必要だ。
そこで階段を上がる時に腰の痛みがどのように生じるかを細かく聞いた。
また降りる時は別なので、その痛みの軽減を兼ねた位置に手すりを付けることにした。
まずは標準的な位置に手すりを仮留めして、上ってもらった。その高さで降りることも
試してもらった。結果的に上がる時は手すりを持ちながら階段の段板に手を添えるのが
一番いいらしい。 下りる時は手すりを持ち、階段を一段ずつ座りながら下りるのが
いいと分かった。上りに重点を置き手すりの設置をした。
そのほか足首を骨折した家族も使えるような改修工事も必要になった。
これらの事を踏まえて、計画して見積を提出し、施工した。
ケアマネの話で対象者は以前よりも長いこと2階にいることが多くなったとの事だった。
腰の痛みで2階に逃げ込めなかったことがよほどの苦痛だったのだろうか!