· 

脳梗塞と住宅改修 (6)

ケアマネから脳梗塞の方の住宅改修の依頼があった。

 

けっこう多い症状の一つ。多いがために個人差が大きく、手すり一本で済む人もいれば

 

大規模な住宅改修を必要とする人もいる。その人を見ないと分からないことが多い。

 

さっそく対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築20年、一般住宅。

 

 

 

対象者は脳梗塞を発症し、左の上肢下肢の障害、言語障害、嚥下障害など患っていた。

 

病院を急性期、回復期へと移り、退院することになった。ようやく、車いすに座ることが

 

できるようになり、本人の意思もあり、退院を検討するようになった。

 

嚥下障害は残り、胃ろうを続けていて、車いすなどの移動では全介助を必要としていて

 

自宅内の車いすの動線の確保、トイレや浴室などでの移乗スペースの確保が必要だ。

 

また、通院やデイサービスなどの外出には外へ出る何かしらの方法が必要になる。

 

それと、対象者の家族は介護に協力的だった。

 

 

 

この家族の場合は室内の動線確保を説明したところ、トイレは当分ポータブルトイレ、

 

入浴は訪問入浴を希望したため外出方法が一番の問題点となった。

 

 

 

まずは、対象者が軽いため、人力による車いすの移乗を提案した。しかし、家族が

 

腰痛持ちが多く、ほかにお願いするわけにもいかず、この案は即却下となった。

 

 

 

今度は敷地の形状や玄関の起伏があるため、縁側から移動式スロープの設置を提案した。

 

m位のスロープが必要なこと、安価なこと、スロープの上で3mは多少不安がある。

 

庭を車いすが通行しやすくするための整備が必要なこと。周辺整備も含めスロープに

 

関するメリットデメリットを説明して、その場は保留になった。

 

 

 

今度は昇降リフトの機械を設置することを提案した。

 

レンタルもあるけど、昇降機はいい値段がする。設置場所の整備も必要なこと。

 

それと、経済的負担は大きくなる分、外出の出入りはかなり容易になること、機械もの

 

なので安全に使用することを説明した。この家族はこの昇降リフト設置を即決した。

 

 

 

昇降リフトを設置するにあたり、周辺整備をどのようにするか、周辺を実測し、図面化して

 

通路幅など検討した。その図面をもって家族に説明した。

 

これで、見積を提出し、施工することになった。

 

施工後しばらくして、ケアマネからの話で家族は昇降リフトの使い方に慣れたようだった。

 

 

昇降リフトは種類が多い。

 

段差が1mを越えると高くなる。

 

段差が60cm以下は手ごろな値段。