ケアマネから両指の変形のある方の住宅改修の依頼があった。
つかむことが難しいだけで、どのような変形か電話先では全く分からないので訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。
対象者は両手の親指が手のひら側に向いてない。モノを握ることができない状態。
話をよく聞くと、脊柱管狭窄症、変形性膝関節症、腰痛圧迫骨折などの疾患歴があった。
これが指に関係しているかどうかはわからないけど、指の変形があった。杖を持つことが
できない。杖をつくと痛みを感じるらしい。
このほか、腰痛もある。下肢のしびれもある。歩くにしても伝い歩き。このような状態で
一般的には、既製品の普通の手すりを着けてお終いになることが多い。ケアマネは
指の変形、伝い歩きを問題に思い、対象者には普通の手すりは合わないと思った。
普通に手すりを設置してもらっては困ると思い、ケアマネが依頼してきた。
対象者に動ける範囲で動いてもらい出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
室内には手すりはいらない。屋外の5段ある階段に手すりが必要だった。
手すりの形状は上面が平たいものがいいことはわかった。まずは材料からだった。
屋外用なので金属にする。しかし塩害が確実にある地域。アルミはまずダメ。
となるとステンレス製。一から製作するのは簡単に思いつく。しかし、工事費は高騰する。
既製品であるかどうかを伝え、後日調査結果を説明すると言ってこの初日は終わった。
探すこと数日。あることが分かり、メーカーにカットサンプルを送ってもらった。
思っていたような手すりの形状。冬場は少し冷たさなどあるものの、痛さの軽減はある。
この手すりのメーカーの売り文句は「シンプルなデザイン」「おしゃれな手すり」などだ。
しかし見る方向が違うと、手に障害のある人にも使える手すりになった。
この手すりで計画し、見積を提出し、施工した。
こんな部材の組み合わせ
手すり形状は右下の写真