医療関係者からウエルニッケ・コルサコフ症候群の方の住宅改修の依頼があった。
聞いたこともない疾患名。ネットで検索するとアルコール依存からくる精神疾患に
なることらしい。それがどうして住宅改修と結びつくのであろうかつながらない。
そう考えても始まらないので、さっそく対象者宅を訪問することにした。
対象者は入院中で自宅にいなかった。退院の予定があり、今回改修することになった。
対象者の動きを確認することはできなかったが、家族に献身的な介助者がいることで
だいたいの様子を知ることができて、要望を聞くことができた。
今回この場では玄関周辺、廊下、トイレ、浴室などを細かく実測した。
実測が終わり、予想される手すりなどを計画した。しかし、対象者の動きが分からない
まま進めると手直しが多くなる可能性がある。そこで対象者の動きを確認するため、
入院しているところへ伺い、動きを確認した。たぶん、このように訪問することは最初で
最後になることだろう。
生活は自立ではあるが、痩せているためか、力が入りにくい。階段は数段登るのがやっと。
動きを見るとつかまるモノなり、何かしら必要になる動き方だった。たぶん、筋力低下が
あるのだ。歩きは足がすり足状態だった。手は振戦があり、ものをつかむのがやっとだった。
そのほか、病院のOTからの情報もあり、動作確認することができた。
精神面は問題がありそうな感じだけど、素人には全く分からない。
これらをもとに少しだけ修正を加え、改修計画を練り直した。
この計画で見積を提出し、施工した。
数日後、別な件で伺ったところ手すりは使えているらしいが、対象者の状態に波があり
手すりではない他のことで手いっぱいになっていた。