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腰の変形と住宅改修

ケアマネから腰の変形のある方の住宅改修の依頼があった。

 

腰の変形? 以前、顔が足につくくらいの変形の方がいたことはあった。

 

今度はどのような変形だろうか、想像しながらさっそく訪問した。

 

既存住宅地、木造平屋、築35年、一般住宅。

 

 

 

対象者は右肩が下がり、歩いている時にびっこを引くような歩き方をする。

 

外見上、腰周辺が縮んでいるような状態。大腿部の痛みもあるようだ。

 

年に何度も転んでいるらしい。訪問する前に転倒で手首を骨折したために手すりが

 

必要になった。日常生活では杖をついている。生活は独居。家族は離れて暮らしている。

 

この状態で、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

建物内は昔ながらの日本の建物。玄関の内外に段差はいたるところにある。敷居は各所に

 

段差がある。勝手口は土間と床の段差が30cmある。勝手口から玄関に回るルートは

 

飛び石で段差もある。これらの段差を解消することが要望であった。

 

玄関周辺は段差が18cm以下となるようにし、各所に手すりを設置した。

 

室内の敷居で3cm以下は三角スロープを設置し、トイレなどの段差は撤去した。

 

勝手口の段差は30cmあったものを半分にして15cmの段差で手すりも設けた。

 

勝手口から玄関に行く通路は飛び石を撤去して、コンクリートの通路にした。

 

この他、つまずくと思われるところにはすべて手すりを設置した。

 

これで見積を提出し、施工した。対象者は階段以外では転倒の要素が少なくなった。

 

 

 

このほか、腰が変形しているのでイスに座っている姿勢に違和感があった。

 

家族に聞くと、イスから倒れそうになることもあるようで、これは何とかしたいようだ。

 

現状のイスは背もたれがあり、肘掛のないタイプ。家族が対象者に「肘掛のある新しい

 

イスを買ってくる」と言うと「いらない」と言われてどうしようかと思っていたらしい。

 

今のこのイスが良いようだ。そこで今使っているイスを改造することにした。

 

普通の肘掛タイプのイスは座位を保とうとしてクッションを挟んでも落ちることが多い。

 

細かくクッションを挟むことによって座位の姿勢をなるべく本人に会うように作ること

 

が出来る。それと片側の肘掛を短くすることで立ち上がり、座りをしやすくした。

 

肘掛取付後、家族によってクッションをセットして自分なりのイスにした。

 

 

 

背もたれだけのイスだった。

 

これに肘掛を付けた