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筋力低下と住宅改修 (5)

ケアマネから筋力低下の方の住宅改修の依頼があった。

 

ガンで長期入院して筋力低下があり、手すりなり、何らかのつかまるモノが必要とのこと。

 

よくある住宅改修の一つである。しかし、その人それぞれで筋力の違い、筋力の萎え方など

 

対象者を見てみないと分からないことが多い。さっそく訪問した。

 

既存住宅地、集合住宅7階、築数年。

 

 

 

対象者はがんで入院し、退院したばかりとのこと。特に下肢筋力が低下し、室内も歩行器を

 

使用しながら歩いている。その間家族が付き添っている状態。殿部に痛みがあり、トイレに

 

行く以外はほとんどベッドに横になっている。座位も苦痛のようだった。

 

本人は動作確認のための動くことはできずに、家族から要望を聞くことにした。

 

要望はトイレの座ることと立ち上がりを何とかしたいとのことで訴えていた。

 

家族が「自前の突っ張り棒」を取り付けたけど動いて仕方ない。「突っ張り棒とは

 

動いてだめ」と対象者が言っていた。自前の突っ張り棒設置以前に、床面と天井を

 

利用した突っ張り棒を使用していたらしいが、トイレのような狭いスペースに

 

設置した場合、動きが制限される。そのため、使いにくいので返品したようだ。

 

そこで「動かない突っ張り棒」にしてほしいとのこと。

 

 

 

そこでトイレを見てびっくりした。

 

「突っ張り棒」と聞いていたのでそれを見た瞬間、思わず笑ってしまった。

 

設置してあった「突っ張り棒」は壁と壁の間に設置してモノをぶら下げるとか、カーテンを

 

掛けたりするための「突っ張り棒」で手すりとしての突っ張り棒ではなかった。

 

そのためいくら力強く突っ張ってもすぐに動いてしまう。これを手すりとして

 

使用していたとは何とも難しい状態だった。対象者は移乗に必死だったことでしょう!

 

一般の人にしては「突っ張り棒」は言葉の響きが同じで、同じような用途に思えたのだろう。

 

 

 

突っ張り棒の用途と手すりの設置を説明した。

 

ここのトイレは通常使う手すり設置することがいいことを説明した。

 

 

 

一般的なトイレは狭い空間、ここに手すり用の突っ張り棒はなかなか難しい。

 

 

 

普通に、見積を提出し、施工した。

 

 

 

これが設置してあった

 

「自前の突っ張り棒」

 

よく動いていた。