医療関係者からシャイ・ドレーガー症候群の方の住宅改修の依頼があった。
以前に一人同様の患者の方がいた。その時は家族の協力があり、大改修工事を行った。
そのことを思い出し、筋力がどれくらい低下している人なのだろうか、
まだまだ動ける人なのだろうか、いろいろ考えながら対象者宅を訪問した。
既存住宅地、鉄筋コンクリート造、築数年、マンション3階。
対象者はシャイ・ドレーガー症候群とのことで玄関に車いすが置いてあった。
日中はほとんど横になっていて、食事の時にイスに座るだけとのこと。
体調は日によって波があるが、室内を歩ける日もある。
訪問時は歩けるような状態でなく、家族から要望を聞くことにした。
ベッドから起きて上がり次の動作に移るための手すり、廊下の手すり、トイレの
出入りのための手すり、洗面脱衣の手すり、浴室内外に手すり。
マンションのため片開き戸がほとんどで、手すりがほしいところまで付けられない。
こんなに手すりを付けてまだまだ動ける方なのだと改めて個人差があることが分かった。
このような計画で見積を提出し、施工した。工事そのものはすぐに終わり、今後は様子を
見ながら次の段階でまた連絡しますとのことで終わった。
数か月して、追加の手すりがあるとのことで再度対象者宅を訪問した。
対象者の筋力は平衡状態で、特に目立った筋力低下は見られない様子だった。
要望は浴室内の手すりと玄関周辺の手すりだった。こんなに動ける方なのか、びっくり。
難病情報センターの記載内容だともっと機能が落ちるのかなと思った。個人差がある。
シャイ・ドレーガー症候群とは言うものの、高齢の方の筋力低下を対象にしたような
手すり設置と何ら変わりがない施工となった。