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外構(私道)と住宅改修

ケアマネから車いすの方の住宅改修の依頼があった。

 

デイサービスの送迎で困っている住宅があるとのことで相談があった。

 

電話での説明だけでは分からないので、さっそく対象者宅を訪問した。

 

 

 

送迎用の車が止まる公道から対象者の住宅は高台にある状態。ゆっくり坂を登り、

 

3段の階段を上り、それからだらだら坂を登り、また4段の階段を登って行く。

 

登り着いたところは階段か、少し回って階段なしで玄関に到着する。何とも長い坂。

 

この坂を車いすで登れないかとの相談だった。

 

 

 

対象者は退院して間もない。屋内では伝い歩きだが、屋外は車いすで移動していた。

 

現在、週に3回以上デイサービスを利用、通院もあった。家族の協力もあった。

 

 

 

計画は以下のようにした。

 

公道から最初の坂は車いすで押せる。この坂は床面がコンクリートで、勾配が1/5くらい。

 

 

 

その次にある3段の階段は2mの簡易スロープで対応することにした。簡易スロープを

 

設置すると1/5よりきつくなる。たぶん、1/4に近くなる勾配。男の力で

 

車いすを押すには特に問題ない。仮の板を敷いてどれくらいの坂になるかを見てもらった。

 

 

 

その次の既存のだらだら坂は約1/5の勾配。通常作るスロープよりきつい勾配。

 

デイサービス送迎の担当者はこの坂は問題ないとのこと。

 

 

 

次の4段の階段をどうするかが問題になった。

 

勾配があるうえに階段があるためスロープにするにしても勾配はもっときつくなる。

 

最大4m近い簡易スロープがある。これを設置する場合、この部分の勾配は1/3~1/

 

くらいの勾配になる。簡易スロープの設置は可能だけど、スロープの中央付近で揺れたり、

 

たわんだりすると結構こわい。それに加えて高さも出てくる。設置状況はよくない。

 

そこで、コンクリート製のスロープにするか、木製のスロープにするかとなった。

 

経済的なことを考えて、木製のスロープにすることになった。

 

 

 

次に最後の玄関までのアプローチは階段を避けて、コンクリート製のスロープにした。

 

この対象者の住宅環境が特殊なケースだった。デイサービスの送迎で男性のヘルパーだと

 

分かっていたので勾配のきついスロープも登っていけた。

 

 

 

スロープ設置前の写真

 

左写真の下の階段が最初の3段の階段

 

ここには簡易スロープを設置

 

 

その次がだらだら坂

写真では勾配がわかりにくいが

坂になっている

 

 

 

だらだら坂に設置した木製スロープ

 

両側に小さな脱輪止めも設けた

 

中央に滑り止めも張り付けた