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パーキンソン病と住宅改修 (6)

ケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修の依頼があった。

 

今度のパーキンソン病の方はどの程度の症状の方なのだろうか? 個人差は大きい!

 

さっそく、対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。

 

 

 

対象者はパーキンソン病だけでなく、慢性心不全で通院中。軽い脳梗塞もある方だった。

 

右手はふるえがあり、茶碗は持てないとのこと。起き上がりに時間がかかり、歩行も

 

不安定で伝い歩き状態。一年前に少しだけ手すりを付けたけど、今では大変になった。

 

 

 

少しだけでも動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

玄関前の外手すり、玄関内の框の上り部分、住宅内の敷居部分の段差、浴室の段差。

 

これらをつたい歩き状態で使えるようにしたいのが要望だった。

 

 

 

玄関前は両側に手すりを設置。玄関框は手すりを設けることで上れることを確認した。

 

敷居部分の段差は三角スロープを設置することでつまずきがないことを確認した。

 

 

 

一番の問題が浴室の段差だった。

 

浴室は脱衣室床面と洗い場床で15cm位段差があった。さらに浴槽ふちは洗い場から

 

30cm弱上っていた。家族にどこまで改修するかを確認した。

 

洗い場にスノコを敷く案、浴室をユニットバスなどに全面改修する案などを説明し、

 

メリット、デメリットを確認した。最終的にスノコで出来ないかとの希望だった。

 

洗い場にスノコを置いてしまうと、浴槽のふちが10数センチの段差になり、

 

浴槽に入るのが大変になり、出るのも一段と難しくなることが予想された。

 

ここの浴槽の置き方(どのように据えてあるか)、給排水管はどうなっているか、

 

確認したところ少しなら、浴槽を動かせる余裕があることを確認した。

 

そこで浴槽の下にコンクリートブックを2段敷き直して浴槽を上げることにした。

 

これで、洗い場にスノコを敷いた場合、スノコと浴槽ふちの高さが30cm位になった。

 

まずまず、段差を解消できるスタイルになった。

 

この計画で見積を提出し、施工した。

 

 

 

完了後、入浴状況を確認したところ、数日は入れたが、本人の体力や症状の変化で

 

入浴どころではないとの事だった。