ケアマネから加齢の方の浴室に関する住宅改修の依頼があった。
現状では対象者が高齢で浴室に入りにくい状態なので何とかしたいとのこと。
浴槽に入りに入りにくいはよく聞くけど、浴室に入りにくいとはどのような意味だろう?
さっそく、対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築60年、一般住宅。
対象者の住宅は昭和に出来た立派な日本家屋といった雰囲気がある。
まずは、入りにくいという浴室を見せてもらった。浴室はコンクリート土間に浴槽が
置いてある状態。つまり、1階床面と浴室床面の段差が50cm位はある。
真ん中に一段段差があるだけでそれを下りて浴室床面に降りる。
浴槽は和式の膝を曲げて入るタイプなので、床面から浴槽のふちの高さが56cm。
浴槽に入る時はイスを踏み台にして中に入っている。なかなかの浴室。
この状況を見たときに確かに、入りにくい状態であることがよく分かった。
昭和の時代に個人宅に後着けで浴室を作った時の作り方に似ている。
浴槽を全面的に改修する案、特定福祉用具のスノコを設置する案、浴槽を洋式の足を伸ばせてスノコを組み合わせる案などを提案した。この3案でメリット、デメリットを説明した。
この場では経済的なことと、変化を望まないとのことでスノコを設置する案になった。
高齢者の場合、経済的な面は別として、変化を望まない仕様を望むことがよくある。
スノコを設置するにしてもどの床面の高さに設定するかで条件が変わってくる。
1階床面に合わせると浴槽に入る時、ツボに入るような浴槽になってしまう。浴槽を
持ち上げるとしたら配管類がすべて盛替えになってしまう。コストと時間がかかる。
階段一段分位下げた位置をスノコの床面とした。これでスノコ床面と浴槽のふちの高さは
38cm位になった。高さ関係は理想的な位置関係となり、手すりを補助的に付けることで
対象者は浴室内の一連の動作ができるようになった。
今回、この状態で家族も楽に使えるようになった。
このスノコはヒノキの節あり。
この対象者はプラスチックより
ヒノキを選択した。
この家には合っている。