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脊髄小脳変性症と住宅改修 (2)

医療関係者経由から脊髄小脳変性症の方の住宅改修の依頼があった。

 

脊髄小脳変性症の方は多くはない。どのような方なのか電話の説明だけでは

 

分からないのでさっそく、対象者宅に訪問することにした。

 

新興住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。

 

 

 

対象者は脊髄小脳変性症でつたい歩き状態。立位は何かに頼っていないと難しい。

 

屋外歩行は介助を必要、トイレや入浴は何とか自力で利用できる。座っているのは難しい。

 

入院先のOTから立位の保持が難しいとのことは聞いていた。

 

日中は居間のリクライニングチェアーに座っていることが多い。

 

ここで、動ける範囲で出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

要望として、トイレを自力で利用したいとのこと。便器に座っていても姿勢を崩してしまい、

 

座っていられないのでこの体勢を何とか改善したいようだった。

 

対象者は既存のレンタルトイレ手すりを利用していた。しかしこれでは体勢をある程度

 

維持することはできない。すぐに体が後ろに崩れてしまう。既存のトイレ手すりは

 

カタログをいろいろと比較して検討した結果、どれも使えないことが分かった。

 

これは製作しかないが難しいものではなかった。便器脇に固定手すりを設置。

 

背もたれ側にクッション性のある手すり状のものが必要なことは確認した。

 

これで製作図をおこし、対象者に了解を取り、話を進めることにした。

 

 

 

この状態を見て、浴室は介助が必要なことが分かった。

 

手すりだけでは、自力で洗い場のイスに座り続けることも難しい、浴槽内で長いこと

 

座っていることにも危険がある。介助があり、手すりを補助的に利用しながら入浴

 

することは可能だった。

 

 

 

このことを説明し、了解していただいた。

 

このあと、見積を提出し、取付にかかった。

 

 

 

設置後、利用状況を確認したところ何とか使えているとの事だった。

 

 

 

 

便器脇の手すりは床に固定。

 

便器に渡している手すり状のものは

 

木を芯にタオルを数枚巻込んで

 

布で覆った。