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股関節症と住宅改修(集合住宅)

ケアマネから股関節症の方の住宅改修の依頼があった。

 

変形性股関節症はよく聞くけど、単に股関節症の方の依頼はそんなにない。

 

どのような方なのかわからないので、さっそく対象者宅を訪問した。

 

既存住宅地、鉄筋コンクリート造、築20年、集合住宅(マンション)

 

 

 

対象者は数年前から右股関節症を患っていた。尺側神経にマヒがあるとのこと。

 

右足の感覚鈍化もある。最近は左の股関節も痛み出している。足を曲げるのに多少制限有。

 

歩く状態を見ていると片足を引きずるような動き方になっている。

 

さっそく動いてもらい、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

 

 

ちょっと古い集合住宅。小さな敷居の段差、便所の段差、使いにくい浴室。

 

マンションは約55㎡、2DK、古い作りで躯体床の問題で水回りをあまり低く出来ない。

 

便所は床面が12cm上っている、浴室はさらに12cm+11cm上っている。

 

浴槽は洗い場の床と浴槽のふちの高さは50cmもある。玄関の段差は9cm。

 

 

 

室内を見渡して、対象者の動きを見ると段差を解消した方が歩きやすいことは分かった。

 

対象者もそのことはわかっていた。そこで、対象者が全面改修を希望した。

 

 

 

水回り以外の壁をほとんど取り払い一体型のワンルームにする計画とした。

 

トイレは便器を取り換えて手すりを設置。浴室はユニットバスを交換、所定の場所に

 

手すりを設置。玄関廊下に手すりを設置。 居間・寝室・台所の床は畳やCFシートを

 

撤去してフローリングを張った。壁と天井は予算の都合でクロス張替え。他に収納を設けた。

 

水回りの床の排水を考えながらなるべく床が高くならないように各メーカーの

 

詳細カタログを検討した。それで最善のものを提案した。

 

それとマンションだったので部屋の北側と南側では温度差があり、湿度も変わってくる。

 

これを改善するための空気循環を考えたシステムを提案したが今回見送りとなった。

 

 

 

このような工事内容で見積もることにした。以下は設計事務所が行う作業。

 

この工事内容を書式にして、複数の施工会社に見積依頼した。こうすることにより全く

 

同じ条件で見積を出してもらえる。質問があった時は見積依頼した会社に平等に返信。

 

これで正式な相見積ができる。見積内容に誤りがないか、極端に数量が多かったり

 

少なかったりしないか、各単価は高かったり安かったりしないかを見ていく。

 

このように見積内容を精査して、施工会社を決めていく。この作業は素人では難しい。

 

 

 

ここの場合は、3社に見積依頼した。ほとんど同じような金額が出てきた。

 

このような場合、施工会社の財務状況、施工履歴、会社概要を比較する。

 

施工会社を決めて、工事依頼して、工事過程も確認しながら施工が完了した。

 

設計事務所の一連の作業費用は工事費の一割を目安としている。

 

一割を別に払っているように見えるが、直接施工会社に注文した場合、工事費の中に

 

一割以上の金額が含まれていることは一般的だ。