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慢性関節リュウマチと住宅改修(7)

医療関係者から慢性関節リュウマチの方のトイレの住宅改修の依頼があった。

 

リュウマチは時々依頼がある。対象者の身体状況により違いがあり見ないと分からない。

 

 

 

さっそく、リハビリ訓練室で状態確認の話をするために行くことになった。

 

トイレの改修ではなく、便座を何とかしたいとのこと。昇降便座は不要。補高便座を

 

検討中。しかし、既製品の便座は寸法が合わない。それと便座洗浄機も使いたい。

 

どうしたらいいものかと言う相談だった。

 

対象者宅は簡単な手すりは設置済み。リュウマチで指先などの変形は少ない。左股関節脱臼、

 

脊椎圧迫骨折などの病歴があった。そのため手すり等はできていて、補高だけを希望した。

 

 

 

どのような便器の状態か、どのように使っているかを確認しに行った。

 

現状では便座の下にビニールで包んだ新聞紙を重ねて4cmの補高をしている。

 

設置してある便座は大手メーカー品ではない。この段階で既存の補高商品はほとんど

 

セットできない。新品の洗浄機付き補高便座を買うほど出費できない。

 

 

 

こうなると製作するしかない。どのような材料で製作するか?

 

プラスチックの成形をするには費用とか、型の問題がある。

 

それと清掃が容易にできることや尿がかかっても問題が少ないことを検討した。

 

建材として断熱材であるスタイロフォームを使うことにした。成型が容易で安価だ。

 

何個でも簡単に作れる。洗浄機の部分も簡単にくり抜ける。体重のある方でない限り

 

簡単には割れない。便器と便座に挟み込むことにした。さっそく、試作品を作った。

 

何となく、出来そうだったので納品を考えて制作した。

 

最終段階で切り口に尿がしみこまないように、透明の塗膜を施し、設置した。

 

 

 

これを特定福祉用具として認めてもらうように自治体の担当課にお願いした。

 

既製品にはないこと、リュウマチでこの状態が必要なことを説明した。

 

 

 

特定福祉用具として納品することが出来て、洗浄機能も使え、対象者は満足していた。

 

 

 

便器の上に載っているのが薄いブルーの

 

部分が補高したところ