医療関係者から脳梗塞の方の住宅改修の依頼があった。
よくある疾患ではあるが、人によって個人差があるのでさっそく訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築15年、一般住宅。
対象者は入院中で改修が終わり次第、帰宅するとのこと。
医療関係者からの報告では入院中は車いす、しばらく立つことはできる、階段の昇降は
数段なら可能、それ以上は訓練中。ゆっくりではあるが自宅内での歩行は可能になる。
外出時は車いす。トイレは見守りで自力可能、入浴及び服の脱ぐ着るは一部介助が必要、
精神状態は普通、家族の協力はある。
敷地周辺は高低差がある。住宅団地であり、公道から玄関までの高低差は80cm。
建物内床は敷居に小さな段差が各所にある。トイレは1階2階にあるが、浴室が2階にある。
まずは玄関から出入りの検討。車いすを想定した。
玄関周辺が入り組んだ作りになっていて、簡易スロープ設置は不可能、玄関とびらを
変更する案も提案した。そのほか、居間から外へ出る案も提案した。
居間から直接外へ出る案は玄関を何かと改修するよりは経済的であった。
その内容は居間からテラスに出るために踏台を一段設け、専用通路を新設する。
通路床面は透水性の材料を使用することにした。
寝室からトイレに行くまでの手すりの設置、敷居部分の撤去、トイレ内の手すり、
扉の吊元変更を2か所。吊元変更は動線を考えると扉が反対方向に開くと便利な
場合がある。特にトイレは新築時、内部の見える方向とか、人の目線を考えると、とびらの
開閉方向はおのずと決まってきた。しかし、人は障害が出ると、開閉方向を変更することにより、楽に出入りができるようになる。
入浴は在宅になってから考えるとのことで、この段階では何もなかった。
この計画で見積を提出し、施工した。
施工後外通路の床面の透水性を確認するため、雨の日に再訪問した。
材料メーカーが売り文句で透水性を説明しているほど透水性はなかった。
よく使用する「モルタル刷毛引き」の方が安価で水はけも良い。