住宅改修を行う時に合わせて検討すると便利な小道具がある。それを特定福祉用具という。
その中には浴槽のふちに置いてそこに座り浴槽に入るためのバスボ-ド、
浴槽のふちに取付ける手すり、入浴用のイス、浴室床のスノコなどさまざまだ。
浴室に関する特定福祉用具は介護保険制度が始まり、10年以上になりいろんな用具が
そろうようになった。これらの用具が各種そろっているためほとんどのものがほぼ
既製品で対応できる。しかし、浴室床スノコはほとんどが個々の注文品になる。
そこで、浴槽脇に座るスペースを作るとそこが使えるがために便利なことがある。
対象者は脳梗塞で片麻痺、ゆっくりで歩くことはできる。対象者は風呂に入ることを
強く希望して、何とか入浴する方法を検討してもらいたいとの事だった。
そこで、製作した入浴のための台である。ここに座り、手すりを使いながら体の位置を
浴槽に向けて、手すりを使いながらゆっくり、体を沈めていく。浴槽から出る時は
その逆のパターンの動作で出る。この対象者は問題なく出来た。
この製作材料そのものは既製品でサイズや形状が注文品となっている。
バスボード
一般的にはプラスチック製の板状のもので、脇に小さな手すりの付いたものである。
しかし浴槽のふたをしにくかったり、手すりのグリップ部分が持ちにくかったり、
固定がしにくいことがある。ちょっとした難点はいくつかある。
対象者は糖尿病で片足先端を切除、入浴のためのバスボードは必要。対象者の要望で
注文品として作ったのが木製の板で作ったもの。簡単なものではあるが木がよかった。
ふたはしやすく、手すりのグリップ部分は壁付けの手すり、固定は板の裏の滑り止め
シートを張付けた。木製のため管理が大変ではあるが、対象者は気に入っている。
板の厚さは対象者の体重によって変わる。
玄関イス(特定福祉用具ではない)
対象者は脳血管障害で片麻痺、歩くことはできる、毎日のように外出がある。
玄関は上り框の部分に段差があるのと、靴の脱着がある。そのため片麻痺では動作が
不安定で立ったままでは難しい。そこにはイスなどがあると少しは安定的に動ける。
一般的にはその家にあるひじ掛けのないイスを置くことを勧めたりすることが多い。
家によっては以前に、家族が使っていたというシャワーチェアーが置いてあったりする。
そこで木製で製作したイスがあった。その人に合わせた座面の高さ、座面の広さなど
調整は可能にできる。それといいオブジェにもなる。
手すりと合わせて使うと
玄関での動きが多少楽になる。
家具屋のイスのようにはいかない。
特別な注文は難しい。