家族から脳梗塞の方の住宅改修の依頼があった。
よくある疾患の一つではあるものの、個人差があるので対象者を見ないことには
何が必要かは全く分からない。手すり一本ですむ人、車いすの人などさまざまだ。
さっそく、対象者宅を訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築50年、店舗兼用住宅。
対象者は脳梗塞で、右マヒ、歩行はゆっくりではあるがかなり歩く、手すりがあると
階段昇降は可能、家族の協力があるため自宅での介護は問題ない。
これで、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
2階を寝室にして、生活することになった。そこで2階にはトイレがなく、新たにトイレを
設置したい。それと階段に手すりを設置することを要望した。
トイレの設置はその家を観察するといろんな手法があり、複数の提案はできる。
この対象者宅は寝室に面して廊下があり、その廊下の突き当りに新設することになった。
また歩ける人ならなるべく少しでも歩いて自分で用を足すようにする。この考え方が
対象者宅の家族と意見が合い、ベッドから少しでも歩いてトイレを使えるようにした。
トイレは二方向から入れるようにして、廊下側からは片開き扉で家族も利用できる。
もう一つは、対象者がベッドから数歩でも歩いてトイレに入れるようにした。
体調がすぐれない時のことも考えて、三枚引戸にした。トイレで介助しやすいこと、
車いすで近くまで行くことができるようにもした。
廊下に面していることで、トイレの給排水の設置がやりやすくなった。
それと後々、ポータブルトイレも使用することを考えて、しびん洗浄水栓も設置した。
他の方法として、押入れを改造して設置することも考えたが給排水が難しくて断念した。
最近ではベッドの脇に移動式便器そのものを設置するものまである。その移動式便器は
配管の特殊性もあり費用も高額である。また臭いの問題を気にされた。
この計画を踏まえた上で見積を提出し、施工した。
トイレの使い勝手として家族だけが
使うには便利なトイレとなった。
それと、人としてトイレは自力で
行けるようにしたい人は多い。