ケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修の依頼があった。
パーキンソ病のほかにも疾患があり、家族が困っているとのことだった。
動けるような状態に出来るのか、施設に入るのかを検討しているらしい。
身体的にもどのような状態かは分からないので、さっそく訪問した。
既存住宅地、木造2階建て、築50年以上、一般住宅、増改築を繰り返している。
対象者はパーキンソン病、腎不全、糖尿病を患っている。歩きを見ると普通に歩いていた。
今まで見た他のパーキンソン病の方とは全然違って見える。素人目にはほんとに
パーキンソン病なのと言いたくなる動き方だった。ほか動きとしては筋力低下、前傾姿勢、
小股歩き。ここまでは家族が支え、ヘルパーの手を借りて何とか生活できるのかなと思った。
もう一つ問題があった。家族が認知症である。認知症患者は身体的には何ら問題ない。
この家族環境で普通の生活が送れるか?不安だったようだ。
対象者はもうしばらくはここで生活したいらしい。
施設を探すのは時間もかかるし、その間には手すりとかの改修工事はできることを伝えた。
この状態で、対象者に出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
玄関周辺の手すりと踏台、廊下、洗面脱衣室、浴室、トイレ、寝室、玄関外の手すりを設置。
対象者は通院やデイサービスの利用と毎日のポストの確認のために玄関外の手すりを
10m設置した。対象者や家族は、古い家なので廊下は障子やふすまがいっぱいあり、
その廊下に手すりは設置できないと思っていた。そこで日々の動線を聞きだし、
毎日通る障子の部分だけ残して、そこを動く障子にして他は手すりを付けることにした。
浴室やトイレは出入りができるように一般的な位置に手すりを設置した。
この計画で見積を提出し、施工した。
施工後、一か月して追加の手すりの連絡があった。
手すりを使っていて調子はどうかを尋ねたところ、
「早いこと手すりを着ければよかった」との回答があった。よくある答えだった。