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浴室と住宅改修(2) 維持方法

浴室が古くなったから、浴室を改修したいとの依頼もたまにある。

 

前回の浴室の住宅改修の話はどのような工法で浴室を改修するかだった。

 

浴室を作るのはどの工法にしても改修の途中段階で問題が出てくることはよくある。

 

今回、その問題になる話である。これは木造住宅の場合である。

 

 

 

まずは既存の出入口、浴槽、壁床などの解体から始まる。 既存はタイル張りの浴室が多い。

 

その時、何年前に出来た建物か、その間に何回か改修しているかで状態が変わってくる。

 

浴室から浴槽を撤去するとこの段階で問題が発生することは少ない。壁のタイルを

 

はがし始めるとだんだんとことの重大さが見えてくる。

 

コンクリート住宅の場合はこのようなことは少ない。軽量鉄骨は木造と同じことが多い。

 

脱衣と浴室の間の床がべこべこしている。土台や柱の腐食、給水管からの漏水で周辺が腐食。

 

施工時に何を間違えたか、配管ルートの複雑化しているなどいろんな問題が出てくる。

 

この理由として以下のようなことが考えられる。

 

① たまたま、建物の作りとしてどうしても湿気をためやすい作りになっていた。

 

② 浴室内を乾燥させるような窓明けなどしていなかった。

 

③ 脱衣室で体がびしょびしょに濡れたまま、フローリングの上で体を拭いていた。

 

④ 経年変化による不良(施工上技量がないとか意図的な施工不良はほとんどない)

 

⑤ 度重なる無理な変更、要望の追加等

 

 

 

浴室やその周辺は普通にしていても湿気がある。だから湿気をどのように逃がすか、

 

換気扇や窓のほか、外部の対策をするのが一般的だ。

 

冬場など寒いから窓を開けることなく、結露水を浴室内にためこんでいることがよくある。

 

この状態を長いこと続けると下の写真のような腐食が起きてくる。

 

このように湿気をため込む環境が長いこと続くことは建物にはよくない。

 

木造住宅で脱衣室の敷マットが濡れた状態になっている家もある。そのような状態で

 

使っている脱衣室の床は緩んでいることが多い。床の内部は腐っていることが多い。

 

 

 

経年変化により、タイルの隙間ができたり、モルタルが割れたりして、長年かけて

 

そこから水が入り込み、木材が腐食している。

 

また配管など施工時には問題なかったのが、ある時期に大きな地震や何か別の外力に

 

配管周辺に力が加わり、配管のつなぎから少しずつ漏水して、木材が腐っている。

 

 

 

このように湿気をため込だり、水が入る環境を長いこと続けると必ず木材は腐食します。

 

換気を十分行いましょう!

 

 

 

脱衣周辺が腐食していた

 

土台がなくなっていた。

 

 

 

配管部分の腐食

 

つなぎ直さないといけない腐食。

 

内部が腐食していた。