ケアマネから二分脊椎症の方の住宅改修の依頼があった。
二分脊椎症と聞いて脊椎が分かれているの?分れた脊椎はどのような障害が??
全く分からない。ネットで難病情報センターの一般向けの情報を見た。
よく分からないので、さっそく訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築20年、
対象者は二分脊椎症、両下肢に装具を装着して歩くことはできる。杖も使用し、
つかまりながら歩く。時々転倒すこともあるらしく、そのためのつかまるモノが必要。
腰痛が強く、体調のすぐれない時は歩くのが大変になるようだ。特に階段の昇降は
大変そうだった。この他の障害は軽度で、普通に生活ができているとのこと。
対象者に出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
玄関外の段差緩和、玄関とびらを軽くする、室内の敷居3か所の撤去、浴室扉の変更、
居室扉を片開きから引戸に変更。 玄関、便所、洗面所、浴室、階段に手すりの設置。
これらの要望が出た。補足装具で歩くことを前提で計画することになった。
一般的にどの家も玄関の外にある階段は段差に気を使っていないことが多い。
そのため障害者になるとその段差を解消することが多い。対象者宅も21cmが2段。
2段を3段に変更して、踏面を広くして、ここに手すりを設置する。
玄関とびらは片開きで開閉時はとても重い、ドアクローザーを外して試してもらった。
とびらの開閉はドアクローザーの変更で何とか対応できる。最初は引戸に変更を希望。
しかし、物理的に不可能。無理してできないことではないが大掛かりな工事になることを
説明した。
浴室の片開きを引戸もしくは折戸に変更。今では建売住宅でも折戸が多くなっているが
この住宅はほとんどの部屋の扉が片開きになっている。引戸はない。浴室は折戸に変更。
居室の片開き戸は既存とびらを再利用して、引戸に変更。
それと、各所に手すりを付けることになった。この計画で、見積を提出し、施工した。
施工後、対象者に使い勝手をすべて確認してもらった。
階段の手すりは今までにない安定感があり、対象者はほっとしていた。