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胃潰瘍と住宅改修

医療関係者から胃潰瘍の方の住宅改修の依頼があった。

 

最初に電話で胃潰瘍の方の住宅改修とはどういうことだろうと「胃がどうしたの?」

 

考えてもよく分からないので、さっそく訪問した。既存住宅地、木造2階建て、築20年、

 

敷地内には別な家族も住んでいる。介護を考えると理想的な環境。

 

 

 

対象者は胃潰瘍で入院。高齢のため運動機能が低下して歩行が困難になった。

 

ポータブルトイレの移乗もぎこちない、平行棒内の歩行訓練は見守での練習。

 

さっさと自宅へ帰りたいとのこと。胃潰瘍で住宅改修の話の内容に納得した。

 

高齢で入院が長引くと、運動機能低下で住宅改修が必要になる。なるほどね!

 

対象者の家族も高齢で介護はヘルパーにお願いしていた。

 

 

 

対象者は入院中で家族から話を聞くことになった。PTOTの退院前の調査はなかった。

 

主に手すりが中心になる。玄関の外、玄関内、廊下、便所、寝室、洗面所、引戸の部分、

 

片開きを引戸に交換、玄関内のステップの設置、これらが改修内容になった。

 

浴室はデイサービスに行くため自宅での入浴はなくなった。

 

手すりの合計の長さが約16m、大きなお家でもなく、一般的な広さの住宅。

 

少しでも転倒がないように、歩いている時に不安がないようにとなるとこのような

 

手すりの長さになってくる。長いと言っても、出入口に50cm、廊下に1.8mなど

 

短いものを全部足していくと16m位になった。

 

それでも金額的には室内手すりは介護保険内の予算で済んだ。この住宅では特殊な金物が

 

必要なかったことや下地板(補強板ともいう)も必要なかった。

 

 

 

今までも、がんや内臓疾患による住宅改修はあったが、これまで長い手すりは珍しい。

 

入院による運動機能低下で手すりが必要となるのはトイレや浴室がほとんどだった。

 

日常的に少しずつ筋力が落ちるのとは別、数か月のうちに一気に低下していくことになる。

 

若くてもある話だが、高齢になるともっと早い速度で筋力低下すると、補助道具として

 

住宅内に手すりなり、何かの道具が必要になってくる。