医療関係者から脊柱管狭窄症の方の住宅改修の依頼があった。
この患者の住宅改修はたまにあるくらいだ。さっそく訪問した。
新興住宅地、木造2階建て、築10年、二世帯住宅。
対象者は脊柱管狭窄症のほかに、骨粗しょう症、パーキンソンに似た症状あるとのこと。
まえかがみの姿勢、足などに筋緊張があるらしく足が車いすのフットレストに
乗らないこともある。車いすで足こぎをしながら何とか移動はできる。
このような状態で、出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。
現状の住宅の扉は片開きが多く、敷居が床面より上がっている。車いすでは生活が難しい。
そこで計画内容は畳敷きの寝室をフローリングに変更、便所の扉をカーテンに変更、
洗面所や出入口の扉を引戸に変更、既存の洗面台の下を車いすのフットレストが
入れるように扉を撤去、敷居を新規に調整して建具の調整も行った。
引戸は既存の片開き戸を利用して引戸とした。
対象者宅には既存の手すりが4本あった。横付けの手すりは家族で身長差があり、
高い方に合わせて設置してあった。今回対象者だけになっているので、高さ調整も
行った。追加の手すりとして、玄関周辺、トイレ、浴室に設置した。
このほか、裁縫が趣味で寝室に大きな裁縫台が置いてあった。この台があるため車いすが
スムーズに通れない。足に筋緊張があるため、足こぎもぎこちない状態。捨てるのは嫌と!
しかし、これから先も調子のいい時は裁縫をしたいとのことだった。
そこでこの裁縫台を加工して小さくはなったけど作業台にした。
これらを計画して、見積を提出し、施工した。
改修後、室内はあまり使われることはなかった。