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老人性うつと住宅改修

ケアマネから老人性うつの方の住宅改修の依頼があった。

 

どの程度の精神状態なのかは話ではよく分からないので、さっそく訪問した。

 

既存住宅地、木造2階建て、築20年、一般住宅。

 

 

 

対象者は老人性うつの疑いがあるとのことで、通院療養中。夫婦で軽いうつがある。

 

他に、心不全、胸水の病歴がある。鼓動も激しく入退院を繰り返している。

 

在宅では、ゆっくり普通には歩いているが、足が弱くなり転倒が何回かあったようだ。

 

 

 

訪問した時、うつのためかどうか、話しかけても動いてもらえなかった。

 

家族に対象者の普段の様子を聞いて、予想できる動きを想像して、計画した。

 

手すりは便所、廊下、浴室に設置を予定し、最新の便器の交換もあった。

 

手すりは通常の位置に予定して、設置することになった。

 

最新式の便器の交換は便器に近づくと、ふたが勝手に開くものだった。

 

 

 

これらを予定して、見積を出し、施工した。

 

 

 

設置して数日後に、家族から電話があった。

 

便器のふたが勝手に開くもので、対象者がトイレに入らない。ポータブルトイレで

 

用を足している。このふたを外すか、どうにかならないかとの話があった。

 

そこで、ふたが自動で開くのを止めて、手動モードに切り替えてみた。

 

しばらくは手動で使ってもらうことでその場は終わった。

 

 

 

それから数日後、また家族から電話があった。

 

なかなか便器をうまいこと使えてないらしく、ポータブルトイレも使用するとのこと。

 

そこで今回、ふたを外すことにした。便器のふたが大きいのも問題があったようだ。

 

最後に訪問した時に、夫婦で手をつなぎながらデイサービスから仲良くゆっくり

 

歩きながら帰って来る姿が何ともほほえましかった。

 

 

 

数日後、こちらから電話して様子を聞いてみると、トイレは問題なく使っているようだった。

 

 

自動で開く便器のふたは人によっては合わないこともあることが分かった。