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脊髄空洞症と住宅改修

ケアマネから脊髄空洞症の方の住宅改修の依頼があった。

 

また、聞いたことのないような脊髄空洞症という、難病の一種だ。どんな方だろう?

 

どのような状況かわからないのでさっそく訪問した。

 

既存住宅地、鉄骨造3階建て、築22年、一階が住居で、2・3階が賃貸。独居。

 

 

 

対象者は数年前に脊髄空洞症を発症、下半身マヒで下肢の支持性はほとんどない。

 

そのほかに、数十年前にカリエスにより、右肘の動きの制限がある。難しい。

 

自走式の車いすで動き、スロープもあった。排尿は2時間おきくらいにある。

 

この段階で出来ること出来ないことの確認ができない。要望だけを聞いた。

 

要望はトイレだけでも自力で使いたいとのこと。入浴は訪問入浴。

 

医療職のケアマネなら多少聞けるが、この対象者の動きがわかりにくい。

 

 

 

そこで、ケアマネに手術した病院名を聞き、リハビリスタッフから話を聞いた。

 

話を聞くと、以前にドクターとリハスタッフが数人で家屋調査したらしい。

 

しかし、簡単ではないことが分かり、どうすればトイレは使えるようになるかは

 

よく分かるものの、壁をどうするか、床をどうする、便器は動かせるのとか、

 

手すりは付けられるの? などなどで、とん挫した。話は進んでいなかった。

 

PTに話を聞いた。下着の上げ下げをどこで、どの位置なら可能か?

 

車いすから便座までの移乗はこの手すりの位置(高さ、長さ)で動けるか? 

 

キャスター付きのトイレいすを使用する予定はないかどうか?細かく聞いた。

 

 

 

現状の部屋は廊下に面してトイレ、洗面所、寝室が近くにあった。

 

トイレと洗面所の壁を撤去することで、周辺を広くして使える提案をした。

 

 

 

PTと話を繰り返し、プランが固まって見積金額が出た。

 

しかし、対象者は膀胱や直腸障害があることや便座への移乗が精一杯の動きになる

 

ことなどを考えるとだんだんと自信が持てなくなり、計画を中止することにした。

 

 

 

これで、仮に工事して使えるようになったとしても毎回は使えなかったかもしれない。

 

計画も難しいが、器だけできても結果的にも難しい話だった。

 

 

 

 

中央の丸が車いす回転域

 

洗面所と便所の間には壁がある。

 

トイレは内開きで入っていた。