知人を介して、認知症の方の住宅改修の依頼があった。
認知症の方の住宅改修は多い。手すり設置が主になる。
さっそく、対象者宅を訪問することにした。新興住宅地、木造2階建て、築20年
敷地周辺は緩い坂があり、敷地裏との段差は2m位ある。
対象者はアルツハイマー型の認知症で、他には疾患はない。
家族に手すりの必要な場所、危険と思われる場所など要望を聞いた。
一般的に段差のある部分、階段部分に設置することにした。
ここで、防犯工事の話が出た。防犯設備士の資格もあるため、その目でこの住宅を見た。
住宅団地の場合、敷地周辺を見て、防犯を考えることはよくあるが、防犯の説明はしない。
住宅団地は、一般的にもっとも狙われやすい要素を多く含んでいることは確かだ。
ここの住宅の場合、入口周辺は駐車場から敷地内に入りやすい状態になっていた。
建物の作りとして、カーポートの屋根、小さい屋根、閉鎖的なベランダ、登り易い、
庭の植木の陰の部分、この家に人が不在だと分かったら、侵入しやすい状態になっていた。
しかも、住宅の裏も浴室や便所のガラス窓は外しやすいものになっていた。
泥棒が侵入を決めたときはいろんな方法を使ってでも犯行する。しかしその手前で
少しでも手間がかかるような状態を作るとあきらめることもある。
この侵入を少しでもやめる気にさせるような状態にするには改修工事が必要になる。
この防犯工事を含めた見積を提出した。 今回、工事はなくなった。
当然のことながら、なぜこんな工事が必要になるかを説明した。
この後、思ったのが仮に認知症の方が一人で留守番をしていて、泥棒に入られたら
どうなるか? ここの場合はデイサービスに行く予定でこの心配はない。
普通に追い出すのだろうか?
何かの対応をするのだろうか?
そのような事例はネット上では出ていない。